コラム

商品誕生秘話 ~日本の織物ネクタイ 藍染~

2021.05.19

こんにちは、これいい和の岡山です。

今回は、これいい和のオリジナル商品で、第90回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2020『第8回LIFE×DESIGN アワード』でグランプリを受賞した「日本の織物ネクタイ 藍染」の誕生した経緯や想いをお伝えさせていただきます。

日本の織物ネクタイ 藍染とは

武州正藍染×日本各地の織物の「日本の織物ネクタイ 藍染」。 大剣は武州正藍染、日本を代表するジャパンブルーの藍染です。それを裏で支える小剣は、日本各地の伝統の織物。日本を象徴する藍染と、日本各地の織物を使った、産地× 産地 の夢のコラボレーションネクタイです。

日本の織物ネクタイ 藍染 ~西陣織~ | これいい和セレクト-記念品・贈り物に日本の伝統工芸品を (japan-novelty.jp)

きっかけ

武州正藍染を中心に、オリジナル商品を手掛けてきた私たちは、武州正藍染をもっと身近に感じられる物にできないかと考えました。

藍染自体、男性から多くの支持を得ている素材であったため、男性が身近に感じられる物とは何かを考えた時に、「藍染のネクタイができないか」という発想になりました。

そこで、藍染のネクタイの探したところ、製品化されている商品はごく一部であることが分かりました。

その原因は、藍染生地自体が色落ちしてしまう素材の為、汗をかいたりすると、シャツに色移りしてしまうためです。藍染を扱っている企業もチャレンジをしたが、製品化まではいかなかったという話を聞きました。

産地 × 産地

我々これいい和では、伝統工芸の世界が都道府県ごとの縦割りが強いということを感じています。

例えば、展示会に出展するにしても、〇〇県として地元の企業が出ることはあっても、県を越えて一緒に展示会に出ることはあまりありません。

もちろん、県からの補助金によって展示会出展される企業も多い為、県や地域ごとで出展しやすいというメリットは多くあります。

これいい和として工芸士さんや企業様からお話を聞く中で、「どこか地域や県の垣根を取っ払って号令をかけてくれる人がいれば・・・」ということをおっしゃっている方も多くいらっしゃいます。

これいい和では、ロゴを日本地図にしている通り、そういった垣根を取っ払い「メイドインニッポン」を掲げています。

以前よりこれいい和では、産地×産地のオリジナル商品を作製していましたので、ネクタイも首にかかる小剣部分を別の産地の織物にすればいいのではないかという発想になりました。

それにより、藍染のネクタイ誕生の糸口が見えてきました。

第一弾の生地の選定

産地×産地の藍染のネクタイを作製するために必要になってくるのが、小剣になる生地の選定でした。

第一弾としては、西陣織、会津木綿、播州織という生地で作製をしました。まずはこれいい和として取引をさせていただいている伝統工芸の織物の中から、ネクタイに合う生地をや産地を選定し、西陣織、会津木綿、播州織に決定しました。

サンプル作製~展示会出展まで

まずは、サンプルを作製しなければなりません。3産地の生地をそれぞれ2色ずつ選び、サンプル作製をすることとなりました。

サンプル品の生地の色は、これいい和メンバー全員の投票によって決定しました。
サンプル納品までは約3週間。ついに藍染ネクタイのサンプルが出来上がってきました。
出来上がったサンプルを見て、率直に「これいい和~」と言える商品が出来たと感じました。

これであれば、展示会に出展して多くの方に注目していただけるのではないかと考えていました。

それが、2020年12月でした。

当初2020年4月の展示会に出展予定でしたので、その展示会でお披露目となる予定でした。

しかし、世界中で猛威をふるった新型コロナウィルスの影響で、出展予定の展示会が中止となってしまいました。

折角の自信作ではありましたが、多くの方に見ていただける展示会での発表を考えていましたので、展示会が開催されるのを待ちました。

待つ中でも行うことは多く、ネーミングや化粧箱の仕様決定などを行いました。

「日本の織物ネクタイ 藍染」という名前には、今後47都道府県の生地を使い、日本を代表するネクタイになっていきたいという願いを込めて、ネーミングをしました。

そして化粧箱は、高級感を持たせるために、某有名ブランドからインスパイアを頂き、藍染にも合うオレンジ色の化粧箱。そして化粧箱の天面には旧字体の「藍」を入れることで、日本の歴史を感じていただけるような仕様としました。

箱のデザインに関しては、弊社のデザイナーがデザインを10個程考えた中からこれいい和メンバー全員の投票にて決定をしていきました。

そして、新型コロナによる第一回目の緊急事態宣言が明けた後の10月に開催された、第90回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2020に出展し、『第8回LIFE×DESIGN アワード』コンテストに出品することになりました。

グランプリ受賞決定の瞬間

第90回東京インターナショナル・ギフト・ショー秋2020に出展の裏側では、弊社の全社員集まっての会議及び会食を行っていました。

受賞者には授賞式の前日に知らされることを事前に主催者側から聞いていたため、まさにその日が会議の日でした。

展示会の弊社ブースに主催者の担当者の方が来られ、『第8回LIFE×DESIGN アワード』グランプリ受賞が伝えられました。

展示会ブースで対応していた社員は、歓喜のあまり泣き出してしまったようです。

我々これいい和は1つ目標として、このLIFE×DESIGN アワードの受賞を目指して頑張っていたため、まさに1つの夢が叶った瞬間でした。

この受賞は、全社員の集まる会場に報告され、全社員が歓喜に沸き上がりました。

第二弾の生地

『第8回LIFE×DESIGN アワード』グランプリ受賞後、次の産地生地の選定が必要となりました。

そうです。受賞は1つの目標ではありましたが、最終目標は「日本の織物ネクタイ 藍染」の名前の通り、全国47都道府県の生地で藍染ネクタイを作製することです。

まさに、このネクタイを見た方からは「自分の出身地のネクタイが欲しい」や「自分とゆかりのある県の生地を作って欲しい」というお声が多くなりました。

そこから生地をご協力いただける生地をこれいい和メンバーで探し、作製する動きとなりました。

第2弾としては、山形県の米沢織、山梨県の郡内織、静岡県の遠州綿紬の生地と埼玉県の武州正藍染をコラボレーションした「日本の織物ネクタイ 藍染」を作製しました。

今後の展望と想い

現在、日本中で廃業の危機に瀕している織物が多く存在しております。

全盛期には何社もあった織物の会社も、現在では1社のみというお話や、後継者問題や工芸品離れによる経済的な理由で廃業してしまうというお話を聞きます。

各地の織物も織る方がいなくなってしまえば、その技術は文献のみでの存在となってしまい、後世に伝わることなく無くなってしまいます。

一部では、無くなった技術を復活しようとする動きもありますが、一度無くなってしまった技術を復活させるのは並大抵の労力ではありません。

だからこそ、我々はこれいい和というブランド、ネクタイをはじめとする現代に合ったオリジナル商品を創り、若い方にも伝統工芸品の良さを知っていただきたい。そして少しでも工芸士や伝統的な技術を持った方々と一緒にお仕事をさせていただくことで、ニッポンの素晴らしい技術をつないでいく一翼を担えればという想いで新商品企画や広めるための経済活動を行っていければと考えております。

これいい和では、日本の伝統工芸品を中心とした日本の素晴らしい技術を使った商品企画や記念品のご提案をさせていただいております。

そういった商品や記念品にご興味がございましたら、是非これいい和までお問合せくださいますようお願い致します。

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