樺細工

秋田が産んだヤマザクラの美しい樹皮の光沢

樺細工とは

樺細工とは、秋田県仙北市角館町で作られる伝統工芸品。ヤマザクラ類(オオヤマザクラ及びカスミザクラ)の樹皮を使った木工工芸品であり、茶筒や小箱、茶櫃、文箱、茶だんすなどの製品があります。密封性が良く、湿気を遮断する性質があるためこのようなお茶の道具に多く用いられてきました。「樺」の字には、山桜の意味があり、語源をたどると、万葉集までさかのぼります。それほどまでに、日本人に愛されてきたのが、ヤマザクラという植物なのです。角館で作られた樺細工は200年以上の歴史があります。1781年以降に藤村彦六という武士によって県北部の阿仁地方より伝えられたと言われております。当初は下級武士の副業として始まり、この地で産業が発展していきました。

産地:秋田県仙北市角館町

秋田県仙北市は、県の東部中央に位置しており、岩手県との県境に位置しております。仙北市の中央部には、日本一の水深を誇る田沢湖があります。田沢湖には、たつこ姫という湖神がいると伝えられ、青く澄んだ湖は美しく、自然豊で四季折々の景色を見る事ができます。地域の約8割は森林地帯で、河川もあり、奥羽山脈から流れています。角館町は城下町として発展していった町です。応永年間(1394~1428年)頃から、戸沢氏が勢力を強め、豊臣秀吉からも認められる大名になりました。その後、会津の雄であった名族芦名義勝が作った城下町が380年以上の時が経った現在もほとんど変わらずに残っております。現在、武家屋敷は、観光名所として、日本全国はもとより、海外からも観光客が訪れます。「武家屋敷通り」と呼ばれる区域が、昭和51年9月には重要伝統的建造物群保存地区になっております。

樺細工を利用した記念品を
是非ご検討ください。

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樺細工の歴史

樺細工の産地である、秋田県仙北市角館といえば、武家屋敷があることからも、名が知られておりますが、武士と樺細工は密接な関係になります。天明年間(1781~1789)にかけて藤村彦六という武士によって県北部の阿仁地方より伝えられました。武士のものづくりというと、まさに一品入魂の精神で魂を込めた品々が完成していきました。武士として、妥協を許さないモノづくり、さらに、ヤマザクラの樹皮の美しさにより、上品な逸品が作られて行きました。産業が発展すると、明治以降には、問屋が増え、販路拡大、需要も増えて行きました。職人の数も増えていき、師匠から弟子へ技術、伝統も引き継がれて行きます。明治後期から昭和前期に入ると、樺細工は円熟期を迎えます。多くの製品開発、さらに皇室献上品製作にまで及びました。昭和51年には樺細工が通産大臣より伝統的工芸品の指定を受け、現在に至ります。