京扇子
招涼持ち扇(しょうりょうもちおうぎ)、飾り扇、儀式扇、芸事扇
京扇子とは
扇子の歴史は、約1200年前の平安時代初期といわれています。当時、筆記用具として利用されていた木簡の片端を紐で閉じたものが、「桧扇」と言われ扇子のはじまりだとされており、日本が発祥です。次に竹と紙で出来ている「紙扇」が作られ、宮廷の用、能、舞踊、茶、香などの用途に応じ、様々な京扇子が生まれました。 扇子は無限に広がる「末広がり」の形をしていることから縁起の良いものとされ、冠婚葬祭や七五三などの行事の際には身につけるものとされています。 京扇子は87回職人の手を通るとされ、製造においては、上絵や扇面、扇骨など工程ごとに職人がおり、分業体制が敷かれています。それぞれの専門家がいるからこそ、総合的に高品質な製品が生み出されています。 また、国内の扇子の生産高の約9割を京扇子が占めるほどになっています。
産地:京都府京都市、宇治市、亀岡市、南丹市
京都市は、京都府南部に位置し、府庁所在地であり、政令指定都市にも指定されています。市の中心部には、碁盤の目のように東西南北に大路小路が走り、元離宮二条城をはじめとする14 箇所の世界文化遺産や2000 を越える神社仏閣が市内各所に点在しています。歴史都市であると同時に、日本中、また世界中から観光客をひきよせる観光都市であり、更には、大学・短期大学をはじめ世界水準の研究機関が集結する学術研究都市、低炭素・循環型まちづくりのモデルを発信する環境先進都市でもあります。 年中行事の主要なものは祭りですが、京都には、祇園祭・葵祭・時代祭の京都三大祭をはじめ、お盆の精霊送り行事として室町時代から広まったと言われる「五山の送り火」や、秋の鞍馬の里が熱気に包まれる「鞍馬の火祭」など、各地域・各時期において、由緒ある様々な祭りが催されます。
京扇子の歴史
扇子は平安時代初期に作られたといわれています。当時、筆記用具として利用されていた木簡の片端を紐で閉じて持ち歩いたものが、「檜扇」と言われ、扇子のはじまりだとされています。 安時代の中期には骨に紙を貼った扇子が登場します。5本の骨に紙を貼ったもので、蝙蝠(こうもり)が羽を広げた形に似ていたことから、「蝙蝠(かわほり)扇」と呼ばれました。 その後、鎌倉時代に中国へ輸出された扇子は、世界各地へと広がり、江戸時代にはヨーロッパへと広がります。 室町時代以降、香道、茶道、舞踊などの発展に伴い、それぞれに用いられる扇子も作られるようになりました。 ヨーロッパに渡った扇子は、紙のかわりに絹を張った製品や、骨に真珠を埋め込んだ豪華絢爛な製品が作られ、貴族階級の女性に愛されます。その後日本へ逆輸入され「絹扇」を生み出しました。