美濃和紙
美術工芸紙、本美濃紙、箔合紙
美濃和紙とは
美濃和紙の特徴は、薄い紙でも布のように丈夫で美しいことです。美濃和紙は、「流し漉(す)き」の方法で漉き、紙面に漉きムラがなく繊維が絡むため丈夫で、障子紙を始め、保存文書用紙等に適しています。
産地:岐阜県/美濃市
日本の中心部または岐阜県の中心部に位置しています。美濃和紙の産地として有名であり、「うだつのあがる町並み」として知られる市街地は1999年5月13日に国の重要伝統的建造物群保存地区として選定された歴史的風致の街です。近年は観光地として定着してきました。
美濃和紙の歴史
美濃和紙は、正倉院に残る大宝2年(702)の御野国(みののくに)戸籍断簡(こせきだんかん)が現存最古のもので、その製紙は揖斐川流域で始まったとされています。御野の紙の品質は良いと言われ、当時からすでに美濃にはすぐれた製紙技術が存在していたと考えられています。美濃市の紙は平安時代に羽場蔵人秀治(はねばくろうどひではる)や太田縫殿助信綱(おおたのぶつな)らが始めたと言われています。この時代、経文(きょうもん)や経典(きょうてん)の出現により紙の消費量は膨大になっていきました。紙の普及に伴い、全国各地で様々な紙が生産されましたが、中でも都で高評価だった美濃産の紙を求め、京都の上級階級者も縁故を頼って美濃紙を求めたという逸話も残っています。
- 伝統産業
- 美濃和紙