大阪浪華錫器

酒器、茶器、花器、神仏具、菓子器

大阪浪華錫器とは

レオナルド・ダ・ヴィンチ「最後の晩餐」にも描かれている錫。金属としても錆びることなく、水の浄化作用があるともいわれています。熱伝導が高く、陶磁器に比べ1.8倍の速さで熱を移動させ、50倍の速さで器全体に伝える錫は、酒器に適した素材として様々なものに取り入れられています。

産地:大阪府大阪市

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大阪浪華錫器の歴史

およそ1300年前、錫器は遣隋使によって日本に伝わったとされています。当時金や銀に並ぶほど貴重品とされていた錫は宮中での器や神仏具として使用され、貴族や武士階級に使用されていました。奈良の正倉院には錫製の瓶子型容器をはじめ、宝物として納められている品数点保存されています。

また、大阪における錫器造りの起源は、延宝7年(1679年)「難波雀」や「日本国花萬葉記」に製造されていたことが記されています。江戸中期には、心斎橋・天神橋・天王寺など流通の良い上方(大阪)で生産され、やがて産地として形成されていきました。 その後、錫屋の老舗〝錫半〟(1996年閉店)が正徳4年(1714年)に心斎橋で開業。その後多くの大阪の錫器製造業者が集合し、特産品としての地位を確立しました。 最盛期の昭和前半には大阪全体で300名を超える職人が競うようにその腕を振るったといわれています。

錫はやわらかいことが特徴でもあるため、機械加工しにくい素材です。そのため、機械ではなくほとんどの工程が人の手によって行われます。工程は鋳造と研磨に大きく分けられ、鋳型に鋳込み、ロクロで挽く、昔ながらの技術方法により、約8つの工程を経て商品ができあがります。

1983年に国の伝統的工芸品として承認されました。美しさを保ちつつ、現代に合わせた使い易さを兼ね備えた商品として、先人たちの優れた技術や知恵は受け継がれています。