輪島塗

盆、茶器、花器、菓子器、重箱、硯箱

輪島塗とは

堅牢な塗りと加飾の優美さを特徴とし、日本を代表する漆器として高く評価されています。 特に、輪島特産の地の粉(珪藻土の一種)を下地に塗り、塗り上げるまでに20工程以上、総手数では75~124回にも及ぶ丁寧な手作業で作られるため、堅地漆器の名声を博しています。 さらに、木地の外側や損傷しやすい箇所に漆で麻布を貼る布着せの技法や地付けの際、下地が剥離破損し易い上縁に桧皮箆[ひかわべら]で生漆を塗る地縁[ぢぶち]引きが、漆器の品質と堅牢度を高めています。 また、加飾にも優れ、特に、沈金技法は輪島で完成したといわれ、多くの名工を育ててきました。昭和52年4月25日、国の重要無形文化財に指定されています。

産地:石川県輪島市

能登半島の北西にある輪島市は、豊かな緑と海に囲まれた人口約3万人の町です。中世に曹洞宗の本山「總持寺」が開かれ、北前船の世紀には「親の湊」と呼ばれ海上交通の要衝として栄えるとともに、江戸中期以降は漆器業(輪島塗)が盛んになりました。 時には穏やかで優しい、そして時には過酷で荘厳な顔を持つ能登の自然。古き良き伝統を今に伝える数々の行事。そして、千年の昔より人と人とが心を通わしてきた朝夕の市。輪島の漆器の一つ一つには、こうした風土と人々の心が息づいています。

輪島塗を利用した記念品を
是非ご検討ください。

記念品例のようなお品はもちろん、便箋セットや和紙小物など、様々なご要望を承ります。

輪島塗の歴史

輪島塗の起源についてはいろいろな説があり、約1000年前の大陸伝来説、15世紀初めに輪島に来た根来僧が普及させた説、近くの柳田村に伝わる合鹿碗[ごうろくわん]が原型という説がありますが、 文明8年(1476年)には輪島に塗師がいたことは明らかになっています。 天正10年(1582年)加賀藩主の能登巡行の際、すでに輪島塗の特徴である地の粉が使われており、 輪島独自の加飾技法である沈金[ちんきん]は18世紀に完成、蒔絵[まきえ]は19世紀初め会津からもたらされています。 江戸時代後期の文化・文政期(1804~1829)には、輪島塗の品質は広く世の認めるところとなります。輪島独特の椀講(わんこう)と呼ばれる年賦販売の講組織による訪問販売が開始され、一般経済の発展による全国的な需要の増大もあって、生産量を飛躍的に伸ばしていきます。 明治(1868~1911)の末期から大正(1912~1925)にかけては、伝統的な家具の生産に加えて料亭や旅館で使用される業務用の需要が開拓され、製品の種類も豊富になっていきます。 輪島塗は従来の手堅い漆塗に加えて華麗な沈金・蒔絵に装飾された最高級の美術漆芸品として現在に至っています。