コラム

「ミス・ワールド・ジャパン2020 日本伝統文化賞」尾形有衣子さんが語る伝統工芸品の魅力

2021.03.31

きっかけは着物での初詣

――ミス・ワールド・ジャパン2020、日本伝統文化賞の受賞、おめでとうございます。現在は日本の伝統文化に関して、どのような活動をされていらっしゃいますか。

尾形 ありがとうございます。ミス・ワールド・ジャパン2020のファイナリスト35名に選出いただき、その中でも日本伝統文化賞を受賞させていただきました。大変光栄に思います。
伝統文化に関わるイベントへの参加や、SNSなどを活用して着物や伝統工芸品などの発信をおこなっております。
ただ、一方では私自身、日本の伝統文化に対する造詣をより一層深めていく必要があることも感じております。「日本伝統文化賞」の名にふさわしい自分になりたいと思っております。

――尾形さんが伝統文化に触れるきっかけは何でしたか。

尾形 きっかけは大学3年生のときに、キャリアコンサルティングが主催する初詣に着物で参加したことでした。それまで私は、着物と言えば成人式や大学の卒業式など、限られたイベントでしか着る機会のない、縁遠いもののように感じていました。
しかし同年代の友人とともに、着物を着て集まることがとても楽しくて、皆の着物も華やかで、とても思い出深いものになりました。それとともに「着物って良いな」「華やかで素敵だな」と、魅力を感じたことがきっかけです。
その後、新年のおめでたい時期に着物という晴れ着を着ることの意義を学びました。そして、伝統文化というのは、日本人の生活や四季に即したもので、生活とともにあることを知り、魅力をさらに感じました。

――着物に触れたことをきっかけに、伝統文化に対する印象や想いが変化したのですね。

尾形 はい。もともと、伝統文化や伝統工芸に対しては「価格が高い」「簡単に触れてはいけない」といった、格の高さや触れづらさ、手が届かないイメージを持っていました。でも実際に着物を着る機会が増え、学ぶ機会が増えると、もっと身近に感じて良いものなんだなということがわかりました。伝統文化と一言に言ってもたくさんありますので、まずは触れてみることでわかることが多いと感じます。
ちなみに、前述の話で新年に着た着物は母がくれたものですが、もともとは祖母の着物だったそうです。良いものは長持ちするし、着物は何代も受け継ぐことができて、若者も当時と同じように着ることができる。その歴史を紡いでいる感覚が素敵だなと感じました。

伝統工芸品の魅力は「普段遣いに良いものを」

――伝統工芸品にも触れる機会はありますか。

尾形 旅行で八丈島を訪れた際に、「黄八丈」の織物体験でコースターを作りました。とても素敵で、いまでも大事に使っています。
黄八丈は日本三大紬の一つとも言われる伝統工芸品です。天然の染料を使って糸の一本一本を染め、出来上がりの柄に合わせて経糸と緯糸を調整して織ります。すべて手作業ですので、大変時間のかかる作業であることを知り、生産者の労力を間近で感じました。黄八丈の着物用の一反ともなると、非常に高額なものですが、その工程を知って納得しました。
先日は「七宝焼」の体験もしました。ガラスを砕いた素材に染料を乗せて模様を描きます。ピアスなどのアクセサリーが作れるのがとてもかわいくて、お気に入りの一品です。都内でも体験できるのでおすすめです。

――「これいい和」の商品で、ご自身で使っている物はありますか。

尾形 江戸硝子の富士山の形のおちょこを買って、家族で正月を過ごす際に、おせちをいただきながら日本酒を飲むときに使いました。器を変えるだけで、お正月のお祝いムードが高まって、楽しい時間がさらに華やかになりました。
「つやのたま」のスポンジで洗顔することもあります。柔らかくて、洗顔料を使わなくていいので、赤ちゃんにも使えるのは良いなと思います。

――「これいい和」の商品を贈り物で使ったことはありますか。

尾形 母は着物や伝統工芸品が好きなので、「これいい和」の商品をプレゼントするととても喜んでくれます。母は佐賀県出身ですので、香蘭社の有田焼マグカップをプレゼントしたらとても喜んでくれました。
また母は料理を振る舞うことが好きなので、波佐見焼のハリネズミ箸置きの5個セットをプレゼントしたときも、喜んでくれました。
子供が生まれた方には、子供用の波佐見焼の食器など良いと思います。そうした、様々な年代やお祝いの場面に合わせて選べるのは非常に助かります。

――男性や友人へのプレゼントを贈るとしたら、どの商品が良いですか。

尾形 男性へは、ネクタイのプレゼントが良いと思います。武州正藍染のネクタイなど、オシャレなものが多くて素敵だと思います。
お酒が好きな友人には、ビール派には大阪錫器、日本酒派には日本各地の酒器などが良いかなと思います。
料理やお酒は、用いる器によって彩りが変わります。上質なお皿に盛り付けると食卓が彩りを増して、私も料理をするのが楽しみになりました。日常に彩りが増すと楽しみが増えます。「普段遣いに良いものを」というコンセプトはとても素敵だと思います。

記念品は「使いづらい」?

――「これいい和」は記念品で選ばれることも多くあります。記念品に対してはどのようなイメージがありますか。また、どのような記念品をもらうと嬉しいですか。

尾形 過去、卒業記念や成人記念などのタイミングで記念品をいただいたことが何度かあります。いただけること自体は非常に嬉しいのですが、一方では記念品は「使いづらい」というイメージもあります。
実用性に欠けたものだったり、目立つ場所に大きくロゴや文字が入っていたりするものもありますよね。箱に入れたまま飾ってて、結果的に処分に困るという話も聞きました。
逆に、実用性があってセンス・品質の良い記念品は長年大事に使っています。使う側の立場で「もらって嬉しいな」「使いたいな」と思えることも大事だと思います。当然ですが、質が良くて実用的なものであれば嬉しいですし、女性にとっては「オシャレかどうか」が大事なのかなと思います。ボールペン、パスケース、名刺入れなど、仕事で普段遣いできるものに上質なものをいただけると嬉しいですね。

―― 最後に、伝統工芸や「これいい和」に対してコメントをお願いします。

尾形 日本の伝統文化を学んで感じたことは、日本人の生活に密着してきたのが日本の伝統文化であり、伝統工芸品なんだということです。伝統工芸品の多くには柄や模様に願掛けがされていて、それらは「贈る相手の幸せを願った」もので、素敵な想いが込められています。
また、若者が持っていて、周りから「それ良いね」と言ってもらえるものは良いですね。若者と伝統工芸品との接点が少なくなっている中で「これいい和」が選ばれることは、職人さんを助け、業界を助けることにもつながるので、日本の未来にとっても非常に価値のあることだと思います。
日本の伝統文化が大切にされるよう、私も応援していきます。

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