コラム
わんぱく息子を持つ私のおすすめ -手拭い-
2021.06.14
こんにちは。
これいい和のmaruyamaです。
今回は2児の母でもある私がおすすめする、日本の伝統工芸品のご紹介です。
それは、「手拭い」です。
手拭いをおすすめする理由
手拭いというと、手を拭く用に使うものと思う方が多いと思いますが、私がおすすめするのは“飾る手拭い”です。
飾ることで、贈り物や記念品にもなります。
我が家には3歳の娘と1歳の息子がいるのですが、ひな祭りの前に子供たちに日本の季節の行事を伝えられたらと思い、関連商品をいろいろと探していました。
都心のマンション住まい。
立派なものを飾るスペースは・・・。
そして、1歳半のわんぱくな息子に狙われたら・・・。
そんな時に出会いました。
素敵な手拭いに。
飾る手拭いの魅力
ひな祭りに向けては「お雛様」の柄を、「こどもの日」に向けては「鯉のぼり」の柄を飾りました。
布を飾るだけですので、スペースはほぼ取りません。
それでいて、お雛様であれば、7段飾りまで描かれていますし、鯉のぼりが5匹も描かれています。
手拭いとともにお雛様の歌を歌えば、五人囃子も三人官女も右大臣もちゃんと伝えられます。
鯉のぼりの歌であれば、屋根より高くはないですが、鯉のお父さんと子供たちだよ、と伝えることができます。
「手拭いを飾る」という感覚は正直なかったのですが、飾ってみるととても素敵だということに気づきました。
着物や浴衣の文化にもみられるように、日本人の色彩感覚はとても豊かだと感じます。
手拭いには、そんな日本の美しさが含まれているのも魅力ですし、日本の工芸品の良さを身近で感じられるのも魅力です。
娘も息子も、とても気にってくれています。
これからもっと季節ごとの絵柄を、揃えていきたいなと思っています。
手拭いについて
そんな、おすすめの日本の伝統工芸品「手拭い」について調べてみました。
歴史
手ぬぐいの起源は諸説ありますが、その原形は古くは奈良時代とも言われ、当時は祭礼においての装身具として使用されていたと言われています。江戸時代に入ると綿花の栽培が盛んになり、木綿の着物を作る際に出た端切れから、生活必需品としての「手拭い」が生まれました。
木綿で出来た手拭いは丈夫で使いやすく、庶民の生活に広く浸透していきました。
当時の活用シーン
手拭いの活躍シーンは幅広く、現代で言うタオルやハンカチとしての役割だけで無く、日除けやほこり除けとして頭に被ったり、緊急時には裂いて包帯や、古くは下駄などの履物の修理に使ったりと、生活の万能選手でした。
用途に応じて好みの長さで使用でき、切りっぱなしのその形状は速乾性にも優れ、衛生面でも重宝されました。さらに実用シーンだけでは無く、江戸の粋なファッションアイテムとしても愛され、持ち寄った手ぬぐいのデザインを競い合う「手拭合わせ」という品評会も開かれていた程です。
明治時代になると、染色技術の向上と共に「注染」と呼ばれる手法が生まれ生産性が一気に向上しました。
時代と共にそのデザインも多様化し、古くから愛される古典的な模様だけでなく、モダンなデザインによって、インテリアやファッションなど幅広い用途でも使われるようになりました。
量産ができるようになると、店の名前や電話番号なども入れて、今で言う「ノベルティ」として配られていたこともあるそうです。
その枠にとらわれない楽しみかたは、時代は変われども今も昔も変わることはないのでしょう。
手拭いを作る際の技術
【注染染め】
日本で生まれた独自の伝統技法です。注染は、無地の反物生地に染料を注いで染め上げて、美しい柄を作り出します。
糸の一本一本が染まるから、生地の上に顔料を乗せるプリントとは違い、生地の通気性や伸縮性を損ないません。
だから、水をよく吸い、すぐ乾く、使いこむほどに柔らかくなるといった、手ぬぐいならではの使い心地が生まれるのです。
また、注染で染められた手ぬぐいには、微妙な色のにじみ、繊細でやさしいぼかしなど、手作業ならではの風合いがあります。それが深い味わいになっていきます。
手ぬぐいを育てる楽しみも、注染の醍醐味のひとつです。
【伊勢型紙】※一部の商品で使用されています。
伊勢型紙とは、友禅、ゆかた、小紋などの柄や文様を着物の生地を染めるのに用いるもので、千有余年の歴史を誇る伝統的工芸品です。
柿渋で貼り合わせた美濃和紙を乾燥させ、約一週間いぶすことで伸縮しにくい型地紙が生まれます。
この型地紙に、均等な線を彫る「縞彫り」、微妙に線が揺れる味わいが出る「突彫り」、均一の模様を彫る「道具彫り」、小紋を彫る「錐彫り」という4つの技法を用いて、美しい柄や波紋を彫ります。
型紙を作るには高度な技術と根気や忍耐が必要となります。
手ぬぐいの魅力
特性・メリット
■ 乾きやすく雑菌がたまりにくい
水分が蒸発しやすいので、衛生的。
元々、手ぬぐいは汗や水を拭いたり、体を洗うための布でした。端を折り曲げて縫製するとその部分が乾きにくく、汚れが生地端にたまり不衛生であるため、あえて切りっぱなしになっています。
ちなみに、切りっぱなしは何度か洗ううちに次第におさまっていきます。
■ 薄くてかさばらない
広げるとフェイスタオルと同じサイズなのに畳むとコンパクト。
旅行や、アウトドア、スポーツシーンにも最適。
■ 丈夫さ
綿100%の手ぬぐいは、丈夫で長持ち。そして、使うほどに柔らかく肌に馴染んでいきます。
古くなったらお掃除用にしてください。窓も床もピカピカに磨き上げてくれます。
■ 使い方の多様さ
このあとご紹介するように、手ぬぐいの使い方は多様です。使っても・飾っても・プレゼントにもいいです。
手ぬぐいの使い方
■ ハンカチがわりに
普段使いのハンカチがわりに。薄手の生地なのでかさばりません。広げるとタオルとしても使えます。
■ お風呂に
体を洗う・拭く、どちらにも使えます。ゆず風呂、菖蒲湯など、手拭いで包んでお湯に入れると風流です。
■ インテリアに
のれんやタペストリーにすると、お部屋の印象も変わります。電話やパソコン、収納の目隠しにしてもおしゃれです。
■ 食事の時に
お手拭きや台ふきんとしてはもちろん、縫い合わせればテーブルクロスやベビースタイなどにも加工できます。
■ 贈りものに
プレゼントを贈るとき、手拭いでラッピングしても素敵です。手拭いも後から使えるので喜ばれます。
■ 包むときに
ちょっとした物も、手拭いがあればさっと包めます。お弁当やペットボトルを包むのもいいですね。
■ 行楽に
汗拭きとして、日よけにかぶったり、濡らしておしぼりにしたり、寒いとき襟元に巻けば、防寒具がわりにもなります。
■ほこりよけに
ほこり除けや、直射日光をさえぎるには、手拭いをさっとかけて。根菜類など、冷蔵庫に入れずに保存する野菜をしまうときに便利です。
■料理の時に
ハエ帳がわりにおかずにかけたり、熱いものを持つときはミトンがわりにしたり、手拭いの出番は水回りの仕事のときだけじゃありません。
さいごに
今回、コラムを書くにあたって、飾る用として手拭いをおすすめしたいと思ったのですが、調べていくと実際に色々な使い方があり、日本の伝統工芸品である手拭いは魅力がいっぱいなのだと気づかされました。私も飾る以外にももっと使っていこうと思います。
魅力いっぱいの手拭いは値段も手ごろですので、ちょっとしたプレゼントや海外の方にお渡しするものとしてはとても喜ばれると思いますし、台紙にオリジナルの印刷をして、お客様にお渡しするギフト・記念品としてもおすすめです。
参考:伊勢木綿 https://japan-novelty.jp/traditional/ise/
それでは、またの機会にお会いしましょう。
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