コラム
新紙幣と日本の伝統工芸|人物と技術の背景
2026.01.22
こんにちは!
これいい和の池田です。
約20年ぶりに発行された新紙幣。
デザインの変更に注目が集まりましたが、実はそこには日本の伝統文化や工芸技術につながるモチーフが数多く描かれています。
今回は、新紙幣に描かれた人物や図柄を通して、日本の伝統工芸やものづくりの背景をご紹介します。
もくじ
1 新紙幣に描かれた人物とモチーフ
2 新紙幣にまつわる、日本文化とものづくりの話
2-1 渋沢栄一と、日本の伝統工芸
2-2 葛飾北斎と、工芸技術としての浮世絵
2-3 東京駅丸の内駅舎に息づく伝統技術
3 新紙幣から、日本のものづくりに目を向けてみる
4 これいい和では、伝統工芸を「伝える」お手伝いをしています
1 新紙幣に描かれた人物とモチーフ
新紙幣には、次の人物・図柄が採用されています。
一万円札:渋沢栄一/東京駅丸の内駅舎
五千円札:津田梅子/藤の花
千円札:北里柴三郎/冨嶽三十六景「神奈川沖浪裏」(葛飾北斎)
この中には、日本の伝統工芸や技術と深く関わる存在がいくつもあります。
2 新紙幣にまつわる、日本文化とものづくりの話
2-1 渋沢栄一と、日本の伝統工芸
渋沢栄一は、日本の近代経済の礎を築いた人物として知られていますが、実は日本の伝統工芸と深い関わりを持っていました。若い頃、実家の主業であった深谷名産の藍玉(染色原料)の売買を手伝いながら、商いの基礎を学んだとされています。この経験を通じて、ものづくりと経済の関係を、実体験として理解していったと考えられています。
この藍染は、現在「武州正藍染」として受け継がれており、これいい和でも取り扱っている日本の伝統工芸の一つです。
さらに渋沢栄一は、国際博覧会などの場で日本の工芸品を紹介し、海外に向けてその価値を伝える役割も果たしました。工芸品を単なる「装飾品」ではなく、日本の文化や技術を伝える存在として位置づけ、海外市場への発信や輸出の後押しを行った人物でもあります。
日本の伝統工芸品が世界から評価されるきっかけをつくった存在の一人が、渋沢栄一であったと言えるでしょう。
2-2 葛飾北斎と、工芸技術としての浮世絵
千円札の裏面に描かれている葛飾北斎の「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」は、世界的にも高く評価されている日本美術の名作です。
この作品は、木版画という日本の伝統的な工芸技術によって制作されました。彫師・摺師といった職人の分業によって、細部まで彫り込まれた木版に色を重ね、紙に写し取る工程は、高度な技術と経験を必要とするものです。
北斎の作品は、こうした木版画技術の完成度の高さを示すと同時に、当時の日本の工芸技術の水準を今に伝えています。
また、北斎の大胆な構図や独創的なデザインは、陶磁器・漆器・染織品など、さまざまな伝統工芸品の意匠にも影響を与えてきました。特に波や風景をモチーフにした表現は、多くの工芸品に取り入れられています。
さらに19世紀後半には、ヨーロッパで起こったジャポニスムの流れの中で、北斎の浮世絵が海外の芸術家や工芸家にも大きな影響を与えました。その表現は、アール・ヌーヴォーや印象派の作品にも反映され、世界の美術・工芸の発展にも寄与しています。
浮世絵は、絵画であると同時に、日本の工芸技術と美意識を世界へ伝えた存在でもあるのです。
2-3 東京駅丸の内駅舎に息づく伝統技術
一万円札の裏面に描かれた東京駅丸の内駅舎は、近代建築でありながら、日本の伝統技術が随所に生かされた建築物です。2012年に行われた保存・復原工事では、創建当時の姿をよみがえらせるために、日本の職人たちの手によって、伝統的な工法や素材が丁寧に再現されました。
明治時代に建てられた丸の内駅舎は、煉瓦造という西洋建築の技術を取り入れつつも、その施工や仕上げには、日本独自の職人技が用いられています。修復工事では、当時の煉瓦工法が忠実に再現され、現代の技術と伝統が融合する形で保存が行われました。
また、駅舎内部の天井や壁面には、日本の伝統的な木工技術や木彫の装飾が施されています。柱や梁の細部にまでこだわった仕上げは、建築そのものが工芸品であることを感じさせます。
さらに、内外装の仕上げには、防火性や耐久性に優れた漆喰(しっくい)が用いられています。美しい質感を保ちながら、長く建物を守る素材として、日本の伝統建築を支えてきた技術です。
西洋建築を取り入れながらも、日本の職人技によって支えられてきた東京駅丸の内駅舎。その姿は、分野は違えど、伝統工芸が大切にしてきた「技を受け継ぐ」という精神と重なる部分が多くあります。
このように、新紙幣に描かれた東京駅丸の内駅舎にも、日本の伝統技術とものづくりの姿勢が息づいています。
3 新紙幣から、日本のものづくりに目を向けてみる
普段何気なく使っている紙幣ですが、そのデザインを辿っていくと、日本の伝統工芸や技術、価値観が息づいていることに気づきます。背景を知ることで、伝統工芸品は「選ばれる理由のある存在」になります。
こうした話題は、
・社内でのちょっとした雑談
・授業や研修の導入
・記念品選びの背景説明
などにも活用できるかもしれません。
4 これいい和では、伝統工芸を「伝える」お手伝いをしています
これいい和では、日本の伝統工芸品を単なる商品としてではなく、背景やストーリーとともに伝えることを大切にしています。
記念品やノベルティ、教育の現場など、さまざまな場面でのご提案が可能です。気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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