コラム
伝統×挑戦!「多摩織」澤井織物工場様
2022.06.20
こんにちは、これいい和の政木です。
東京都八王子市周辺で作られている「多摩織」
日本の伝統的工芸品にも指定されている歴史ある伝統工芸品です。
先日、その多摩織の伝統工芸士、澤井織物工場の澤井さんのご自宅兼工場にお邪魔させていただきました!
そこで今回は、多摩織の魅力とそれを生み出す作り手の方の背景を、みなさまにお伝えしたいと思います!!
さて、八王子駅から車で向かうこと約30分、澤井織物工場さんが見えてきました。
広い敷地内に車を停め、お弟子さんと澤井さんが出迎えてくださいました。
お家に上がらせて頂くと、さっそく様々な織物や以前作成された生地を見せて頂き、多摩織に留まらず色々な織物があることを教えて下さいました。
お伺いしてみて改めて驚いたのは、澤井さんが多摩織以外にも本当に色々な「織物」に対して挑戦をされているということでした。
たとえば、銅線を織って放電版を作っていたり、糸の段階からナイロン加工を施し、静電気を起こさない織物を生み出したり・・・と
「えっ織物でそんなこともできるの!?」
というのが私の率直に感じたことでした。
そう、澤井さんが培ってこられた技術は、私の「織物」という概念を超えていました!!
澤井さんはイッセイミヤケや、サザビー、ヤエカなどの名だたる有名アパレルメーカーから
のご相談はもちろん、Googleから依頼を受け、電気の通る糸を織り込んだ洋服を作成したこともあるのです。
洋服を触るとスマホの画面と連動するようになっているこの洋服。
その要である糸を銅線で作られたのが澤井さんです。
「澤井さんだったらやって下さる」という信頼があるからこそ、このように様々なところからのご依頼があるのだと感じました。
そんな澤井さんが今注目されているのは、若い年代の方々に織物に興味を持ってもらいたい、ということだそうです。服飾の専門学校と協力し、現在キャミソールを企画しているそう。なんとそのキャミソールの肩の紐の部分は江戸組紐でできているそうです!!
興味を持ってもらおうと思ったきっかけは、30年前。
織物に転換期があったそうです。
「それまでは織物というと、着物用に生地を織ることがほとんどでした。しかし段々着物の文化がなくなっていくにつれ、求められるものも変化してきました。現在は着物用が約20%、その他が80%になります。」
澤井さんの取り組みは現在多摩織にとどまらず、日本の物作りの可能性を追求されているようにも感じました。
インターンとして専門学校の方がいらしていたり、若い層への教育も積極的です。
「織物」というジャンルを背負ってここまでやってこられたことがうかがえました。
可能性を追求していく澤井さんがあってこそ、多摩織があるのだと感じました。
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