コラム
建築と日本語との面白い関係3選
2022.07.20
こんにちは。
これいい和の野口です。
前職は建築の現場監督と不動産の営業、その後約1年弊社の教育事業部を経て2022年3月にこれいい和に異動しました。
そんな私は、ものづくりやテクノロジーへの興味は誰にも負けません!
今回は、建築と日本語との関係をお伝えしていきたいと思います。
会話のネタにしていただけると幸いです。
今回は3つご紹介します。
大国柱
まず1つ目は『大黒柱』。
これは有名ですね!家族や集団の中で中心となる人物を表すこの言葉。
なんとなく語源をご存知の方もいらっしゃると思います。
少しマニアックなお話をすると、建物を建てるときには「柱」「壁」「床」「梁」(柱と柱をつなぐ部材)と「階段」が主要構造部と呼ばれ、建物の耐久性を確保する上でとても大切な部分です。
その柱の中でも大黒柱とは一番太く、また一番最初に建てられる柱を大黒柱と呼びます。
まさに、リーダーシップを張って組織を導いていく社長をはじめ、各リーダーの方にピッタリな言葉ですね。
うだつ
2つ目は『うだつ』です。
【うだつが上がらない】という言葉は調子が良くない様子を表すこの言葉ですが、この「うだつ」が実は建築用語なんです!
「うだつ」というのは、隣の家で火事が起きた時に、その火が自分の家に伝ってこないようにするために通常2階以上に設置する防御壁を指します。
江戸時代の町並みをイメージしていただくと、木造でかつお隣さんとピッタリくっついて建っている印象があると思います。
そのため、火事が起こるとたちまち燃え広がってしまいます。
この「うだつ」のオプション工事にはお金がかかります。
そのため、
うだつが上がってる家=成功している。
うだつが上がっていない=成功していない。
というような意味として使われるようになり、今でも似たような意味で使われたりしています。
小手先
最後3つ目は『小手先』です。
これは諸説ありまして、私が学生の頃、左官(壁に土系の材料を塗る工事)実習の際に職人の方から聞いたお話です。
左官というのは「小手」と呼ばれる道具を巧みに使い、材料を均一に仕上げていきます。
作業面がアイロンのような形をしており、面を大きく大胆に使うのが良いと教わるのですがこれがとても難しい。
つい先端でチマチマ作業してしまうのですが、すると
「なーに小手先でやってんのぉ!小手先で塗っちゃうと直んなくなっちゃうだよぉ!」
と注意されてしまいました。
小手先では細かい作業はできるのですが、尖った先端が壁を掘ってしまい、職人さんでも直せないキズになってしまいました。
その場しのぎであったり、結局使えないものの例えで現在も使われる言葉になりました。(あくまで諸説ありです)
いかがでしたでしょうか!
ご紹介させていただいたものもごく一部となっています。
このように建築と日本の文化はとても密接な関係です。日本の精神性を紐解くためには、日本のものづくりを勉強してみるのもいいかもしれませんね。
ぜひこれいい和の商品も様々なストーリーがあります。
誰かを想いながら、プレゼントとしてお送りしても素敵ですね。
こちらのコラムもご覧いただけると幸いです。
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