コラム

千葉県の伝統工芸品「房州うちわ」

2023.07.13

皆さまこんにちは。
これいい和の吉川です。

今回は夏にぴったりな伝統工芸品「房州うちわ」を紹介します。

画像:房州うちわ振興協議会HP

房州うちわは、日本の三大うちわの一つで、経済産業省から伝統的工芸品の認定も受けています。
主に房総地方(千葉県南部)で作られています。
房総半紙うちわとも呼ばれることもあります。
江戸時代には既に作られていたとされおり、明治時代には全国的に広まりました。

材料はシンプルで、主に竹と和紙を使用して作られています。
まず竹を選別し、細く割ります。
その後、骨組みとなる竹の枝を曲げて骨組みを作ります。
この作業は、竹の太さや角度、力加減などを職人の感覚で調整しなければならず、非常に手間がかかります。
次に、和紙を貼り付けて仕上げます。
和紙は、一枚ずつ貼り付け、乾燥させ、何度も重ねることで強度を増します。
この作業も、職人の手作業によって行われます。
また、和紙を貼る際には、風合いや色合いなどにもこだわり、職人の技術が発揮されます。
和紙は、強度があり、軽量であるため、強く扇いでも壊れにくく、暑い日本の夏には欠かせないアイテムとなっていきました。

房州うちわは、形状や柄のデザインによって様々な種類があります。
例えば、葉形の「はこうちわ」や、扇子のように持ち手がついた「はりうちわ」、丸い形状の「まるうちわ」などがあります。また、柄には、風景や動物、花などが描かれたものが多く、個性的なデザインが特徴的です。

個人的には、赤色・青色・紫色などの朝顔が描かれたものや、雄大な打ち上げ花火の絵柄が好きですね。浴衣を着て、このうちわも持っているだけで粋な気分が高まります。

房州うちわは、その製法において、職人による手作業が非常に重要です。
竹を割ったり、和紙を貼り付けたりする作業は、機械化が進んでいる現代でも、職人の手作業によって行われることが多く、伝統的な技術を守り続けています。

また、素材が自然由来であることや、使い捨てできることから、環境に優しいアイテムでもあります。最近では、環境問題に配慮した商品として、再生紙を使用したうちわも販売されています。
伝統工芸品も、時代の流れと共に柔軟に変化してきているのです。

房州うちわは、暑い夏に涼をとるためのアイテムとしてだけでなく、和の美意識を表現する文化的なアイテムとしても愛されています。
日本の夏の風物詩の一つであり、その美しいデザインや職人の技術によって、多くの人々に親しまれています。

最近では、房州うちわのデザインにも新しい試みがされています。
例えば、日本のアニメや漫画のキャラクターを描いたものや、現代的なデザインのものなどがあります。
これらの房州うちわは、若い世代にも人気があり、新たなファン層を開拓しています。

この様に、伝統と現代の感性が融合して、次の世代に文化が残っていくことが大切だと感じています。 今年の夏は是非、伝統工芸品の「房州うちわ」を新調して、粋な気分を味わってみてはいかがでしょうか?

伝統工芸品ファンが一人でも増えることを願っています。

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