コラム

名字に関わる由来!「藤」に秘められた意味とは?

2023.11.08

これいい和の安藤です。

先日、地元の同窓会に参加してきました。10年ぶりに友人と会うと社会人になってもあの頃の自分に若返ったような気がしますね。
地元は田舎でした。

片道3キロの通学路は非常に遠かったものの、好きな子と帰る日だけは短く感じ、茜色に染まる空がいつも以上に濃く見えていたのを覚えています。
そんな淡い思い出に浸りつつ、地元に帰ってきたのですがそこで気づいたことがあります。

それは・・・

「安藤」が地元に多すぎる・・・!!

確かに全国には佐藤や田中などよく使われる名字があります。
そこで今回は「藤」にまつわる名字の由来についてお伝えしていきます。

【◯藤さんはあの人物から・・・!?】

藤とつく名字は皆さんが小中学校の歴史の授業で学んだあの一族が関係しています。

それが・・・藤原氏です。

中大兄皇子(後の天智天皇)と共に大化の改新を行った中臣鎌足(後の藤原鎌足)や摂関政治を行った藤原道長など藤原氏は飛鳥時代から平安時代にかけて国内で隆盛を誇ります。

【役職に関係する◯藤さん】

一族がどんどん拡大していくなかで、摂政や関白以外にも様々な役職に就いていました。
そこで様々な役職の藤原氏を区別するために、新たな名字を名乗ったり、他から呼ばれたりするようになります。

「斎宮頭の藤原氏」 → 斎藤(伊勢神宮の官職)
「木工助の藤原氏」 → 工藤(土木工事や材木の管理)
「内舎人の藤原氏」 → 内藤(天皇の護衛や雑務)
「主馬首(しゅめのおびと)の藤原氏」 → 首藤、主藤(馬および馬車装具の管理)
「左衛門尉(さえもんのじょう)の藤原氏」 → 佐藤、左藤(皇居の門の警備を行う職種)

【地域に関係する◯藤さん】

中央の役職に留まらず、地方を治める「国司」などとしても、多くの藤原氏が派遣されました。そうした様々な任地にいる藤原氏を区別するために生まれた苗字も多くあります。

「伊勢、伊豆の藤原氏」 → 伊藤
「近江の藤原氏」 → 近藤
「遠江の藤原氏」 → 遠藤
「加賀の藤原氏」 → 加藤
「佐野の藤原氏」 → 佐藤、左藤
※ちなみに「安藤」は、広島県の国名「安芸」説があります!!
(私は埼玉県の生まれなのでご先祖様は長旅をしてこられたのですね・・・!)

【その他の由来もある◯藤さん】

ここまで多くの役職や地域のあった◯藤さん
ただし、「どちらもある」という複合的なものや、よくわかっていないもの、「藤」はつくが藤原氏との関係が薄そうなものなど、名字の由来は様々です。例を挙げると、

  • 「佐藤」は、役職名の「左衛門尉」説と、栃木県の地名「佐野」説がある
  • 「武藤」は、役職名の「武者所」説と、東京都などの国名「武蔵」説がある
  • 「権藤」は、もともと九州地方を治めた「権藤氏」という大豪族に由来し、京都の藤原氏との関係は薄いと考えられている

自分のルーツかもしれない地域や役職があると何かロマンを感じますね‼

出展:https://web.quizknock.com/all-fujiwara

【藤の花は歴史的あの書物にも・・・!】

藤は枕草子などで、古くから女性らしさの象徴として語られてきました。
風に揺れ、しなやかな姿は、花言葉の「優しさ」にぴったりです。
また、藤の字には「上にのぼる」という意味もあります。
家紋にも用いられている藤。高貴さや美しさを感じる一品となっています。

最近ですと、「鬼滅の刃」にも出ていたことで有名ですね。
そんな藤に関連する工芸品がこれいい和にも御座います。

皆さんも藤の花を近くに身に着け日本の歴史に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。