コラム

私の愛用 “七尾和ろうそく”

2021.04.07

こんにちは。木内です。

今回は、愛用の工芸品をご紹介させて頂きます。石川県の伝統工芸品「七尾和ろうそく」です。

いつのタイミングで使えば良いの?と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私のおすすめは、就寝前の30分前です。部屋の電気を消して、ろうそくを付けます。今日一日を振り返りながら手帳に書き物をする。心も身体も落ち着き、安らぐ時間になります。

特に昨今、人々を取り巻く環境は、「ストレス社会」という言葉ができるほど、日々、ストレスを溜め過ぎてしまう人が多いようです。コロナ禍で、在宅ワーク、リモート会議など、人と人との温かみを感じにくかったり、疲れを発散出来にくかったり、何か心に癒しが欲しい、安らぎが欲しいという方も多いのではないでしょうか。また、いつの間にか目を使いすぎてしまう、眼精疲労も起きやすいと言われています。手放せない程にスマホを持ち歩いたり、パソコンの画面を長時間見たり、そんな一日の疲れを何とか癒したい方に、寝る前30分の和ろうそくをオススメしたいと思います。

そもそも、七尾和ろうそくとは何か、ご紹介致します。

石川県能登地方七尾市、希少伝統工芸品の七尾和ろうそく。芯には和紙が使われ、植物油を使用している和ろうそくは、すすが出にくく、炎が消えにくいという特徴があります。歴史は古く、1650年頃 七尾を領地とした前田家が蝋燭座(ろうそくざ)といわれる蝋燭を製造から販売まで行う組合のようなものを作り、各地より職人を集め、蝋燭作りを推奨しました。七尾は江戸から明治にかけ北前船の寄港地として栄えたので、各地の原料を取り寄せて、出来上がったろうそくを各地に運ぶことができたのです。そこから七尾でのろうそくの生産が盛んになっていきました。

次に、和ろうそくと洋ローソクは何が違うのか、和ろうそくの特徴は芯と原料にあります。芯は筒状にした和紙の上から灯芯を手巻きし、ひとつひとつ作ります。灯芯とは、イグサの表皮を取った 中のスポンジ状の部分です。この芯は先まで空洞になっているので、燃えている間も常に灯芯から吸い上げたロウと酸素が供給され風にも強い、明るく力強い炎となります。原料は植物ロウ。洋ローソクの原料は石油から採れるパラフィン。この原料の違いが大きな違いと言えます。また、製造方法は、和ろうそくの場合、一本一本手作りで作っていきますが、洋ローソクは大量生産が可能です。こういった違いから、和ろうそくは洋ローソクよりも、高級品で、価格も高いのです。また、和ろうそくの炎は、一目見て、洋ローソクの炎とは異なります。大きくゆらゆらと揺れる炎は、神秘性や情緒があります。この炎の違いは、和ろうそくの構造に秘密があります。中が空洞芯になっている和ろうそくは、空気がろうそくの中を流れ、その流れによって炎を揺らめかせるのです。

このように一本一本丁寧に作られた和ろうそくだと知った上で使ってみると、味わう贅沢感も変わってきます。炎を見ると、なんだか癒される。なぜこんなに心が安らぐのでしょうか。

その正体は、1/fゆらぎという、炎の揺れに秘密があります。

1/fゆらぎとは何か。調べてみると、パワー(スペクトル密度)が周波数 f に反比例するゆらぎのことのようです。(ただし f は 0 より大きい、有限な範囲をとるものとする。)

自然現象においても見ることができ、具体例としては次のようなものがあります。人の心拍の間隔、電車の揺れ、ろうそくの炎の揺れ方、木漏れ日、小川のせせらぐ音、目の動き方、蛍の光り方などがある。また物性的には、金属の抵抗、ネットワーク情報流等。

1/fゆらぎの効果は世界中で研究されており、研究者にとって、注目の分野の一つになっております。「1/fゆらぎに関する国際シンポジウム」が 2年に1度40年以上にわたって世界各国で開催されています。生物に与える効果については、 生体の神経細胞が生体信号として電気信号を発射しており、細胞の発射間隔を調べたところ、その間隔が1/fゆらぎをしていることが発見されてました。 そのことから、 生体のリズムは基本的には1/fゆらぎをしていると分かり、 この1/fゆらぎは 快適性と関係があることが判明しています。人間の生体は五感を通して外界から1/fゆらぎを感知すると、生体リズムと共鳴し、自律神経が整えられ、 精神が安定し、 活力が湧くと考えられているそうです。精神・心理的変化(Mental /Psychological transition: 鬱状態から回復へ精神・心理的状態が変化)時の人間が描いた絵画などに1/fゆらぎが表現されたケースを科学的に示した例もある等、人間の心身に影響のあるものが、1/fゆらぎになります。

このような、炎の揺れにより、癒されるとの事でした。また、和ろうそくは他のろうそくの火にはない位、炎の揺れが強いため、ぼーっと見ているだけで「何か心が落ち着く」そんな状態になります。

私自身、実際に和ろうそくを使用し、リラックス時間を作ってみたところ、睡眠の質が変わったような気がします。とにかく、寝覚めがすっきりで日中パワー全開!

なぜ、寝覚めがすっきりしたのか。私の中で調べてみたところ、ある寝る前の行動が睡眠の質に関わってくる事がわかりました。それが、ついついやってしまう寝る前のスマホ。あっという間に時間が経ってしまいますよね。寝る前にスマホを見ると何が睡眠に影響するのか。その答えが「ブルーライト」です。

ブルーライトを見てしまうと体内時計の時間が狂ってしまうそうです。目からブルーライトが入るとガングリオンセルという視細胞が光を感知します。そして脳の視床下部にある視交叉上核に情報が伝わります。ここは体内時計の重要な中枢といわれています。ブルーライトの刺激は、さらにメラトニンというホルモンが作られる松果体に伝えられます。昼間、ブルーライトを浴びるとメラトニンの分泌が抑えられて活動が高まりますが、夜に浴びるとブルーライトを含む明るい光を昼と判断して、体内時計に作用して睡眠を促すメラトニンの分泌が抑制されて眠れなくなるそうです。

ブルーライトは、パソコンや電子書籍、LED照明などからも出ています。昼夜を問わず、屋外屋内のどこにいても、ブルーライトを浴びる生活環境になってきたともいえます。体内時計の睡眠と覚醒のリズムが乱れて、メラトニンの分泌が減ると肥満や生活習慣病、がんなどの発症に影響するという報告もあります。就寝前はできるだけブルーライトを見ないようにするなど、節度をもった使い方や工夫が必要になっています。

是非、スマホではなく、ろうそくの炎によって、癒されながら、眠りにつく事をおすすめします。

和ろうそく生活を始めると、良い事が3つありました。
1つ目は、1日を振り返る時間を設けた事により、1日1日を丁寧に過ごす事ができました。今日の良かったころ、改善するべき点などをゆったりと考えることで、「明日はこうしていこう!」と活力がわきます。

2つ目は、睡眠時間が増えました。電気を消し、ろうそくをつけると、その後は眠くなり、寝るだけ。夜余計にスマホを見たり、テレビを観たりすることがなくなり、まっすぐに布団に入れるようになりました。

3つ目は、眠るまでのルーティンができたことにより、生活リズムが作りやすくなりました。ろうそくが点いている時間は約15分。その間に、ゆっくりノートを書いたり、白湯を飲んだり、時間が決まっているところも良いところの一つです。

是非、皆様にも和ろうそくをご使用頂ければと思います。
周年記念品にも、是非ご提案致します。

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