コラム

担当者が語る ~記念品選びの視点~

2021.06.19

本日もこれいい和ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
これいい和の吉川です。

今回は、企業様の周年記念品として伝統工芸品を採用いただいた2つのエピソードについて、振り返ってみたいと思います。

エピソード1 業界世界一のメーカー様の、80周年記念品

商品選定まで

こちらのお客様は、10年ごとに周年記念をされており、今回は80周年の節目でした。
70周年の時からさらに社業を発展させ、ついに世界一に上り詰めた節目でもあり、とても大切な周年記念となっていました。

お客様は周年記念委員会を立ち上げて計画されておりました。
初回のヒアリング、委員会の方々との打合せ、商品選定を繰り返すこと数回。委員会メンバーの方々も、年齢・性別・職種が様々で、多くのご意見や、過去の事例も聞かせていただきました。

そして最終的に採用いただいたのが、「京扇子」です。

「京扇子」に込めた想い

実は、提案の初期段階では、「扇子は70周年の時も検討したが通らなかった」とのお話を頂いていました。

しかし、80周年には「京扇子」をおすすめしたいと感じていました。
その理由は、ふたつ。

【末永く事業が続きますように】
「末広がりの八」が付く京扇子は、80周年にちなんだピッタリの記念品です。
それに加え、扇子は末広がりの縁起物としては、まさに王道です。

扇子の形状が漢数字の「八」に似ていることもあります。
それだけでなく、京扇子は87もの製造工程があると言われています。87回職人の手を渡り、最後に使う人の手に渡って88工程目。つまり、「八」が重なる、とてもおめでたい末広がりの縁起が込められています。(※諸説あります)

【お客様・社会とのご縁も、より一層広まっていきますように】
そして、業界世界一に輝いたからこそ、末永くクライアント様とのご縁を今後も広げ続けていく意思の象徴として、まさに扇子がぴったりだと感じていました。

このような扇子にまつわる意味合いをお伝えしたところ、ご担当者様から社長様へ伝えていただけることに。

すると後日、ご担当者様から嬉しいご報告が!
なんと、扇子の意味合いが社長様の想いとマッチし、80周年の記念品には京扇子が贈られることとなりました。

想いが込もった伝統工芸品

想いや意味が込められた工芸品に、贈り手の想いを乗せて伝えることができる。
伝統工芸品は、周年記念品にぴったりだと改めて実感しました。

その後、扇子の柄選びでは、「トンボ柄」をご採用いただきました。
トンボは、害虫を取り除く貴重な益虫として五穀豊穣の象徴とされてきていました。さらに、前にしか進めず後退しないことから、「勝ち虫(かちむし)」と呼ばれ、武士から縁起の良い虫としてもてはやされ、武具や装束など、様々な装飾品に描かれてきた歴史があります。

伝統工芸品・伝統和柄のもつ縁起の良いストーリーが、お客様の想いと重なり、周年記念実行委員会の皆様にもご納得いただける記念品となりました。

エピソード2 全国10拠点以上をもつ企業様の記念品

伝統工芸品の良さは、使い心地

今回採用していただいたのは、大阪浪華錫器のタンブラー

大阪浪華錫器のタンブラーは、注いだ飲み物が、驚くほどマイルドになります。
人によっては、ペットボトルのお水もまろやかになるのが分かるほどに、変わるそうです。

ビールを注ぐと、これまた驚きの現象が!!

なんと、泡のきめ細やかさが段違い!
タンブラーにビールを注ぐだけで、クリーミーなモフモフ泡が出来上がります!
タンブラーに割りばしを差しこむと、泡の弾力で割りばしが立つ!!

うそだと思った、そこのあなた!
これいい和セレクトでご購入いただき、ぜひ試してみてください!

・・・とは言っても、言葉ではなかなか伝わりにくいですよね。

お客様とのお打ち合わせでも、この感動を伝えようと言葉を尽くしましたが、
「本当に割りばし立つの?(疑惑の視線)」という結末・・・

私はこの感動を伝えたくて、弊社のショールームにご招待しました。

数日後、企画担当者・総務部長さんがご来店してくださり、三人で検証実験!
席に座るなり、早速実験スタートです。

とくとくとく・・・シュワ~~・・・(キンキンに冷えたビールを注ぐ)

ドキドキ・・・

パキッ・・・スッ・・・(割りばしを差し込む)

「ほっ・・・本当に立った!  味はどうなる・・・うっ・・・美味い!!」

三人で、ビールだけでなく、お水、お安めのお酒等など、色々試してみました。
その結果、味がまろやかになる変化もご納得いただけました。
(あまりに飲みやすく変化したため、昼から三人で安酒1本あけてしまいました)

※商品の確認作業(仕事)です!!

使い心地を体感いただいたことで、大阪浪華錫器のタンブラーを記念品にご採用いただきました。

商品以外にもこだわりを

タンブラーを入れる桐箱は、湿気を取り除く作用があるそうです。
タンブラーの保管に使うのはもちろんですが、小物入れやティーパック等の保管に使うのもいいですね。

記念品の箱まで、普段使いに溶け込めるなんて、エコですね。

そして、今回の工夫の目玉は、梱包時の緩衝材です。
こちらはお客様のちょっとした一言がヒントになりました。

「せっかくの記念品だから、捨てられないものがいいな・・・ゴミが出るのもエコじゃないからなあ」

実際に商品を手に取っていたところ、もともとの緩衝材がゴミになってしまうことが懸念点となりました。

「何かゴミにならなくて、後日も使ってもらえる緩衝材、ある?」

一度お持ち帰りさせていただき、考え抜くこと数日・・・
辿り着いたのは、日本古来の包み物「風呂敷」でした。

でも、ただ風呂敷で包むだけでは面白くないという事で、もう一工夫アイデアを絞り・・・

このような形に!

伝統工芸品の大阪浪華錫器を伝統工芸品の風呂敷で包むなら・・・
着物を着ているように包んでみました!

桐箱を開けた時に、この凛とした佇まい。

ご担当者様にもお喜びいただき、企業様の周年記念品として、
格式を高める演出となれたのではないかと感じております。

この様に、今回は伝統工芸品の良さをふんだんに詰め込み、さらには、日本の民族衣装である着物という文化、近代のエコ・SDGsの意識など、沢山のストーリーと贈り手の想いが詰まった、素敵な周年記念品となりました。

お喜びいただけたことで、私にとっても嬉しく、思い出深い体験となりました。

お客様のストーリーを大切にした記念品を

今回は2つの事例を紹介させていただきました。

どちらも、日本独自の伝統工芸品が持つ品質縁起の良さ・歴史的ストーリーが詰まっており、
相手にお渡しする際に、想いを工芸品に乗せてお伝えすることが出来ます。

100年以上の間、伝わり続けた工芸品は、ご先祖様が残してくれたプレゼント。
まさに「100年前からのプレゼント」ですね。
私たちも、100年後の子どもたちへとプレゼントしたいものです。

もし皆さまが周年記念の担当となり、記念品を考える際には、
「伝統工芸品の記念品」という視点も追加していただけたら嬉しいです。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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