コラム

旅先で出会う“現代では再現困難”なもの

2026.02.24

こんにちは。
これいい和の和田です。

最近、京都と出雲を訪れました。

どちらも、日本の歴史と文化の深さを体感できる場所です。
そして今回の旅で、改めて心に残った言葉があります。

それは――
「現代では再現困難」

ものづくりに携わる者として、とても考えさせられる言葉でした。

もくじ
1 京都で感じた“人の手でつくる自然”
2 出雲で感じた、失われた技術
3 便利さと、深さ
4 手仕事の深さ
5 最後に
6 関連リンク

1 京都で感じた“人の手でつくる自然”

京都は、中学生の修学旅行以来かもしれません。
当時は、バスの時間に追われ、教養も足りず、正直ほとんど記憶に残っていません。

今回は違いました。

1-1.龍安寺の石庭

20年越しに念願が叶い、龍安寺へ。

平日の雨。
人も少なく、しとしとと降る雨音のなか、ただ静かに石庭を眺めていました。

その時、ふと思いました。
日本の先人たちは、人の手で“自然”をつくり、それを愉しむことが本当に上手だったのではないか。

本来、自然はどこにでもあったはずです。

けれど、
・石
・砂
・空間
・間
を使って「自然」を表現する。

これは、日本文化のDNAなのかもしれません。
だから私たちは、そこに立つだけで心が整うのだと思います。



1-2.一保堂茶舗|道具は、人を前に進ませる

京都では、一保堂茶舗にも立ち寄りました。

最近、茶道を始めたこともあり、ロゴ入りの茶漉しを購入。
良い道具を手に入れると、不思議なことが起きます。

もう言い訳ができなくなる。
「やらなきゃ」と思う。

道具は、背中を押してくれる存在でもあるのだと改めて感じました。



1-3.藤田美術館|曜変天目茶碗という奇跡

大阪の藤田美術館へも足を伸ばしました。
目的は、国宝・曜変天目茶碗。

一目、観たかった。
引き込まれるような輝き。
「美しい」という言葉では足りない。

そして説明文にある一文。
“現代の技術では再現困難”

ITやAIが進化し、できなかったことができるようになっていく時代。
その一方で、過去に存在したのに、今は再現できないものがある。

この事実は、とても不思議で、そして尊いものに感じました。



2 出雲で感じた、失われた技術

社員旅行で訪れた出雲。

念願の出雲大社。
2日間で5回参拝しました。

早朝6時。
夜20時。
人気の少ない時間帯の空気は、言葉では表せません。

現在の出雲大社の前には、「古代出雲大社」というものがあったそうです。心御柱と呼ばれる巨大な柱に支えられた、高さ約48メートルの社。15階建ての建物ほどの高さ。

そして、これもまた――
現代では再現困難。

当時の宮大工の技術は、現代を超えていた可能性がある。
便利さが進化しても、失われてしまうものがあるのかもしれません。

※足元に描かれているのが、心御柱の断面絵です



3 便利さと、深さ

私たちは、便利な時代に生きています。
ボタンひとつで買い物ができ、動画で世界を見られる。

しかし、伝統の世界には別の時間軸があります。
・手間をかける
・長い年月をかけて磨く
・完璧に再現できない偶然を受け入れる

そこには、「再現できない」という価値があります。

それは効率とは真逆の世界。
けれど、人の心を強く打つ世界です。

4 手仕事の深さ

ものづくりの世界に身を置くと、強く感じることがあります。

それは、
技術は進化するけれど、
深さは積み重ねでしか生まれない、ということ。

再現できないものには、時間と人の営みが詰まっています。

旅先で出会うそうした存在は、ただの観光ではなく、“時間を超えた体験”なのだと思います。

5 最後に

旅は、景色を見るだけではありません。
その土地に積み重なった時間に触れること。

そして、ときに出会う
「現代では再現困難」なもの。

それは、未来に進む私たちに、静かに問いかけてくれます。
本当に大切なものは何か、と。



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