コラム

和紙の世界

2021.04.09

これいい和の佐々木です。

今回はその和紙についてご紹介していきます。

長い歴史を持ち独特の温かみのある風合いが楽しめる和紙。

和紙と洋紙の違い

まず紙は【植物繊維その他の繊維を膠着(こうちゃく)させて製造したもの】と日本工業規格(JIS)で定義されています。膠着とはくっついて離れないという意味です。簡単に言いますと植物の繊維を水中で分散させ、密にからみ合わせ、薄く平面状にのばして脱水、乾燥させて紙は出来上がります。

その紙には和紙と洋紙の2種類があります。

洋紙は、原料からパルプ(植物や木材などから繊維を抽出したもの)を作り、均一に広げたパルプを乾燥させて固めたものを言います。会社のオフィスで使用したり、普段目にするカタログやパンフレットに使われているものは価格や印刷適性から基本的に洋紙がほとんどです。

和紙は、楮(コウゾ)、雁皮(ガンピ)、三椏(ミツマタ)などの表皮の内側の靭皮繊維(じんびせんい)と呼ばれる繊維を使用します。洋紙に比べ紙の繊維が長く太いため、紙の強度が増し、独特の風合いが生まれます。もともと手漉きで生産されていましたが、現在では機械漉きと呼ばれる機械生産される和紙も存在しています。

和紙と洋紙の特徴

和紙

・繊維が長く太いため強度が高い
・長期保存に適している
 ※和紙は1,000年、用紙は100年と言われています。
・原料や量産がしにくいため、高価
・印刷適性があまり良くない

洋紙

・繊維が短く、強度が低い
・変色しやすい(主に黄変、まわりがボロボロになってくる等)
・大量生産しやすいため、安価
・印刷適性が良い
・ユネスコの無形文化遺産に登録

細川紙(埼玉県小川町、東秩父村)、本美濃紙(岐阜県美濃市)、石州半紙(島根県浜田市)は、国連教育科学文化機関(ユネスコ)に「和紙 日本の手漉(てすき)和紙技術」として無形文化遺産に登録されました。ユネスコ政府間委員会は「産地に暮らすすべての人々が和紙作りの伝統に誇りを持っている」と評価したそうです。

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日本三大和紙

上記の無形文化遺産に登録された産地以外にも日本各地では伝統的に和紙が生産されています。その中でも日本三大和紙と呼ばれる和紙があります。

それは、岐阜県の「美濃和紙」、高知県の「土佐和紙」、福井県の「越前和紙」です。

いずれも経済産業省により日本の伝統的工芸品に認定されています。

それぞれについてご紹介していきます。

岐阜県「美濃和紙」

美濃和紙の特徴は、薄い紙でも布のように丈夫で美しいことです。美濃和紙は、「流し漉き」の方法で漉き、紙面に漉きムラがなく繊維が絡むため丈夫で、障子紙を始め、保存文書用紙等に適しています。

美濃和紙は、正倉院に残る大宝2年(702年「)の御野国(みののくに)戸籍断簡(こせきだんかん)が現存最古のもので、その製紙は揖斐川流域で始まったとされています。御野の紙の品質は良いと言われ、当時からすでに美濃にはすぐれた製紙技術が存在していたと考えられています。

高知県「土佐和紙」

「土佐和紙」も長い歴史のある和紙です。平安時代に書かれた「延喜式(えんぎしき)」に献上品として名が出ています。土佐和紙はその種類が多く、300種類もあると言われています。その中でも特に有名なのは「土佐典具帖紙(とさてんぐじょうし)」です。土佐典具帖紙は世界で一番薄い手漉き和紙で知られており、わずか0.03mmの厚さしかないそうです。別名「カゲロウの羽」とも呼ばれ、システィーナ礼拝堂のミケランジェロが描いた大壁画の修復に使われるなど、美術品や文化財の修復等には欠かせない和紙となっています。

福井県「越前和紙」

約1,500 年の歴史を持つ越前和紙は、最も長い歴史を持つ和紙と言われています。

薄くて丈夫、水に強い、数多くの製法による多種多様の和紙があるなどの特徴があります。その特徴から

越前和紙は1661年から藩札(現在でいう紙幣)に使われるようになりました。これが日本で最古の紙幣とされており、その後1951年までの間ずっと越前和紙が使われてきたのです。

その他、国宝・文化財の保存や復元にも越前和紙が使われています。

また、世界最高レベルの技術水準を誇る、現在の日本銀行券も越前和紙の紙漉き技術と透かし技術が取り入れられています。電子化される前の証券や株券にも使われ、卒業証書などの証書などは今でも「正式の用紙」として、越前和紙が使用されています。

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和紙の原料

続いて和紙の主な原料である楮、雁皮、三椏そして「ねり」として使われるトロロアオイについて記載していきます。

楮(こうぞ)

くわ科の落葉低木で、成木は3mほどで、栽培が容易で毎年収穫が可能です。強い日照を好むので、暖かい南面の山腹傾斜地が栽培に適しています。梅雨前後の雨が生育に大きく影響するので、降雨量が多く、靭皮が傷まないようになるべく風当たりの少ないところで栽培します。

収穫は、落葉から翌年発芽する前まで(12月~1月頃)に行ないます。本格的に収穫できるのは3年目頃からで、株の寿命は20~30年といわれていますが、100年経た古株でも収穫できるものもあるようです。繊維は太くて長く強靭なので、幅広い用途に和紙原料として最も多く使用されます。

三椏(みつまた)

じんちょうげ科の落葉低木で、成木は2mほどで、苗を植えてから3年毎に収穫できます。関東以西の温暖地が適しており、中国・四国地方の山間部で多く栽培されています。半陰性植物で強烈な日光を嫌うため、北面の山腹が適しています。繊維は柔軟で細くて光沢があり、印刷適性に優れているので、局納みつまたとして大蔵省印刷局に納入され、世界一の品質を誇る日本銀行券(紙幣)の原料として役立っています。

雁皮(がんぴ)

じんちょうげ科の落葉低木で、成木は2mほどなります。繊維は細くて短く、光沢がある優れた原料ですが、成育が遅く栽培がむずかしいので、主にやせた山地に生育する野生のものを採取して使用します。以前は謄写版原紙用紙の原料として大量に使用されていましたが、複写機が普及して以来、急激にその使用量が減少しました。現在は金箔銀箔を打ちのばす箔打ち紙、襖の下貼り用の間似合紙などに使用されています。

トロオアオイと「ねり」について

トロロアオイの根は「ねり」として使われます。「ねり」は美しい紙を漉くために、原料の繊維を水中に均一に分散させておくのに必要なものです。楮、雁皮、三椏などの長い繊維は、そのままでは一様な分散が困難です。さらに植物繊維の比重は、水の1.5倍ほどあるので、水の中に入れておくとすぐに沈んでしまいます。そこで紙を漉くときには「ねり」を使います。「ねり」の役目は水中で繊維の分散を助けるためで、接着力はありません。

ネリには水引きを調節するはたらきもあります。紙を漉くときに「簀」から水が漏る速度が、水だけだと早すぎるので、繊維をよく絡みあわせる時間がありません。ネリを入れることによって、原料液が簀の上に長く留まるので、そのあいだに簀桁をよく揺すって繊維同士を絡み合わせることができます。

今回は和紙についてご紹介してきました。

少しでも和紙に興味を持っていただけましたら幸いです。

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和紙はその良さが見直され、メモ帳や栞、マスクケースなどとして企業様の周年記念品としてご利用頂くことが増えてきております。https://japan-novelty.jp/traditional/echizen/

日本の伝統産業を盛り上げるためにも是非ご検討いただければと思います。