コラム
久留米絣とは?歴史と魅力、日常で使う伝統工芸品としての楽しみ方
2026.03.30
こんにちは。
これいい和の岡山です。
今回は、私が使っている伝統工芸品「久留米絣の名刺ケース」とあわせて、久留米絣とはどのような工芸品なのか、その歴史や魅力についてご紹介します。
伝統工芸品というと、
・特別な日に使うもの
・少し敷居が高いもの
という印象を持たれる方もいるかもしれません。
けれど実際には、日常の中で取り入れることで、その良さをより身近に感じられるものでもあります。
もくじ
1 久留米絣とはどんな伝統工芸品か
2 久留米絣の特徴
3 久留米絣の歴史
4 私が使っている久留米絣の名刺ケース
5 伝統工芸品を日常で使う魅力
6 久留米絣が今も愛される理由
7 さいごに
8 関連リンク
1 久留米絣とはどんな伝統工芸品か
久留米絣は、福岡県南部の筑後地方一帯で作られている絣織物です。
絣とは、あらかじめ糸を染め分けてから織ることで模様を表現する織物のことをいいます。
織り上がったときに柄の輪郭が少しにじんだように見えるのが特徴で、その独特のやわらかな風合いが魅力です。
久留米絣は、
・綿織物であること
・手間のかかる括りの技法を用いること
・素朴でありながら奥行きのある柄を持つこと
などから、多くの人に親しまれてきました。
また、技法としては国の重要無形文化財に指定されており、経済産業大臣指定の伝統的工芸品でもあります。
2 久留米絣の特徴
2-1.糸を先に染めてから織る
久留米絣の大きな特徴は、糸を先に染める「先染め」にあります。白く残したい部分を括って染め分け、その糸を織り上げることで模様を表現していきます。
そのため、完成した生地には、
・機械的すぎないやわらかさ
・少しにじんだような味わい
・手仕事ならではの表情
が生まれます。
2-2.高い技術が必要な織り方
久留米絣には、主に次のような織り方があります。
・経絣:たて糸だけにくくった糸を使って柄を織る方法。
・緯絣:よこ糸にくくった糸を使って柄を織る方法。
・経緯絣:たて糸とよこ糸、両方にくくった糸を用いて柄を織る方法。
たて糸だけ、よこ糸だけ、あるいは両方に柄を持たせるため、柄をぴたりと合わせるには高い技術が必要です。
3 久留米絣の歴史
久留米絣の始まりは、江戸時代後期にさかのぼるとされています。
3-1.井上伝が生み出した織物
久留米絣の創始者として知られているのが、井上伝です。
伝は、色があせ斑点のようになった使い古しの紺色の着物を見て、この糸はどんなふうになっているのかと疑問に思いました。
着物を解きほどき、糸がまだらに染まっているのを見て、「先にこの糸と同じように染めておくことで、同じような模様ができるのではないか」と考え、糸を白くしたいところを縛って染める技法を考案したようです。
これを「加寿利 (かすり)」と名付けて売り出したところ、たちまち評判となったようです。
この発想から、糸を括って染める技法が生まれ、久留米絣は広く知られるようになりました。
3-2.発展と苦難を乗り越えて受け継がれてきた
伝は技術の開発だけでなく、後継者の育成も行ないました。その結果、伝が40歳になるころには弟子は1000人以上もいたとされています。1839年頃には、同じく久留米に住む大塚太蔵が絵絣を作り、絵絣はその名のとおり絵柄を自由に表現できる技法で、久留米絣の柄の可能性が大きく広がったとされています。さらに1846年頃、現在の八女市 (久留米市に隣接する市) に住む牛島ノシによって、ごく小さい斑紋のような屋根板絣などの小絣が作られ、その功績から伝と共に後世に名を残すこととなりました。
幕末になると、倹約令により多くの藩で絹織物を着ることが禁じられたため、庶民の多くは綿織物を身につけるようになり、細やかな模様の入った久留米絣はおしゃれな綿織物として藩外に広まっていったようです。明治時代には久留米絣も政府の地方産業振興の奨励により、急速に技術が発展。貫絣、十字絣、小合中絣、棒絣など絣柄の種類が格段に増えていきました。
しかし、1877年に起こった西南戦争をきっかけに久留米絣の品質が低下してしまいました。久留米が明治政府軍の基地となり、戦後に兵士たちが久留米絣を土産物として持ち帰ろうと需要が急増したが、相次ぐ増産により正規の工程を経たものを作ることができず、粗悪品を販売してしまったことが原因となり、一時久留米絣は信頼を失ってしまったようです。
大正時代には、久留米絣は品質の高い絣として安定した人気を誇るようになっていた。大正末期から昭和初期頃には、足踏み織り機や、動力織り機なども登場し、生産高は200万反を超えていました。大東亜戦争以降は久留米絣にとって苦難の時代で、大東亜戦争の際に綿織物の生産が禁じられたことが大きな痛手となり、戦後になると着物人口の減少と急速な洋服の普及から、さらに苦境に立たされることとなりました。
しかし、1957年に国の重要無形文化財に久留米絣が指定されたことで、再び追い風が吹き、これをきっかけに保護育成の取り組みがはじまり、久留米絣は大きく息を吹きかえしていきました。
そして1976年、久留米絣は国の伝統的工芸品にも指定され、最高級の本綿織物として現在でも日本中で愛されています。
また、久留米絣をこよなく愛する人達のことを【かすりすと】と呼ばれるようになりました。
4 私が使っている久留米絣の名刺ケース
ここからは、私自身が使っている久留米絣の名刺ケースについてお話しします。
これは、私が初めて購入した伝統工芸品でもあり、思い入れのある品です。
4-1.最初に惹かれたのは、素朴な雰囲気

名刺ケースを新しくしようと思っていたとき、
何気なく手に取ったのがこの久留米絣の名刺ケースでした。
そのときに感じたのが、
・派手すぎない
・でも印象に残る
・素朴でやわらかい雰囲気がある
という魅力でした。
いわゆるブランド品とはまた違う、日常の中に自然となじむ良さがあると感じました。
4-2.使ってみて感じたちょうどよさ
実際に使ってみると、
・名刺が20枚前後入る
・型崩れしにくい
・持ち運びしやすい
といった点で、自分の仕事のスタイルにも合っていました。
枚数だけを見ると少なく感じる方もいるかもしれませんが、私の場合は外出先からオフィスに戻ることも多く、必要十分な容量でした。
4-3.会話のきっかけにもなる
名刺交換の場面では、
・おしゃれな名刺入れですね
・珍しいですね
と声をかけていただくこともありました。
こうした小さな反応から会話が広がることもあり、実用品でありながら、人との接点をつくってくれる存在でもあると感じています。

5 伝統工芸品を日常で使う魅力
伝統工芸品は、鑑賞するだけのものではなく、毎日の中で使うからこそ、その価値を感じられるものでもあります。
・使うほどに愛着が湧く
・背景を知ることで見え方が変わる
・自分らしい道具として育っていく
そうした感覚は、量産品とは少し違う魅力かもしれません。
6 久留米絣が今も愛される理由
久留米絣が長く愛されてきた理由は、単に歴史があるからだけではありません。
・やわらかな風合い
・手仕事のあたたかさ
・日常になじむ素朴さ
・使い続けたくなる実用性
こうした要素が、今の暮らしの中でも自然に受け入れられているのだと思います。
7 さいごに
今回は、私が使っている久留米絣の名刺ケースをきっかけに、久留米絣の歴史や魅力についてご紹介しました。
伝統工芸品は、遠い存在のようでいて、実は日常のすぐそばで使えるものでもあります。
まずはひとつ、身近なところから取り入れてみる。
そうすると、伝統工芸品の見え方も少し変わってくるかもしれません。
これいい和では、定期的に伝統工芸品の記念品に関するメールマガジンを配信しております。
ご希望の方は、下記のフォームからご登録をお願い致します。