コラム

【SDGs×伝統工芸品②】SDGsと伝統工芸の関係

2021.05.06

今回もコラムをご覧いただきありがとうございます!

今回はSDGs×伝統工芸品第二弾

前回のコラムには、SDGs×伝統工芸について私の考えを書かせていただきました。
今回は、その続きを書いていこうと思います!

内容としては、伝統工芸品とSDGsのどの部分に関係があるのか!?
そこをより細かく書いていきます。

是非、前回のコラムを読んでから、お読みいただければと思います。
https://japan-novelty.jp/column/486

簡単に振り返りますと、SDGsとは下記のように定められています。

〈持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)とは,2001年に策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として,2015年9月の国連サミットで加盟国の全会一致で採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載された,2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の「誰一人取り残さない(leave no one behind)」ことを誓っています。 SDGsは発展途上国のみならず,先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり,日本としても積極的に取り組んでいます。〉

https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/sdgs/about/index.htmlから引用

これを達成する為に17個のゴールと169のターゲットがあるとのことでした。

伝統工芸品が当てはまる「SDGsの目標」とは

このゴールの、どの部分に伝統工芸品が当てはまるのかを考えてみましょう。
少なくとも3個は当てはまるのではないかと思います。

目標8番 働きがいも経済成長も [経済成長と雇用]

包摂的かつ持続可能な経済成長及びすべての 人々の完全かつ生産的な雇用と働きがいのある 人間らしい雇用(ディーセント・ワーク)を促進する

伝統工芸品を製作している職人さんは年々減ってきています。その理由としては、伝統工芸品自体の売上が減少していること、認知度が高くない状態になっているということが挙げられるかと思います。

目標8[経済成長と雇用]という面においても、地方のものづくりの衰退は、問題です。地方の産業が衰退すれば、活気もなくなりますし、地方に残る若者も減っていきます。結果として、地方の経済成長も見込めない状況になる可能性もあると思います。

【私の地元、山梨県富士吉田市の場合】

ここで、私の地元について、少し触れさせていただきます。

私の地元である山梨県富士吉田市は、昔から織物産業で有名な地域です。
富士山の麓に位置し、きれいな水が流れていることもあり、織物や養蚕の文化が根付いていました。

過去と比べると、そこまで織物業の景気がいいというわけではありません。
ですが、最近では、各工場が工夫を凝らし、様々な新しい商品を生み出すなど、新しい動きも出てきています。数年前からは、東京などの都会の若者が織物産業の為に、富士吉田市を訪れるという動きも出てきているそうです。

この流れを通し、「地方の産業が活気づくと、自然と周りの人たちも活気づいていくのだな」と身をもって感じています。

こういった動きは私の地元だけではなく、今後も広がってくるはずです。
地方を活性化させる為にも、各地方に根付く伝統工芸品、日本製の商品、職人さんはとても重要な存在だと思います。地方のものづくりが盛り上がれば、地方の雇用の問題や経済成長に、自然と良い影響を与えられるからです。

ですので、伝統工芸品が広まることで、目標8 [経済成長と雇用]の課題解決につながると思っています。

目標11番 住み続けられるまちづくりを [持続可能な都市]

包摂的で安全かつ強靭(レジリエント)で持続可能な都市及び人間居住を実現する

8番で書いたことと内容はかなりかぶってしまうのですが、住み続けられるまちづくりの為には、各地方に魅力があることが大切だと考えます。

近年では過疎化が深刻な問題となっておりますが、この問題が11番にはかなり影響してくる部分だと思います。過疎化が進む理由として、若者が都会に魅力を感じるという理由が多いかと思います。私自身も地方から都心に移ってきた一人です。

【20代の視点から】

大学進学の為、山梨県から出てきました。私も私の友人も、ほとんどがそうでした。人によっては「地元で仕事をする」という形を取る方もいるかと思いますが、現状では地方の若者が減っていると感じています。

私自身、「なぜ今も、都会にいるのか」というと、正直、地元に戻る魅力を感じなかったからです。

東京の方がたくさんの経験を得られるし、楽しそう!

そんな気持ちが先行していました。
このような人がほとんどなのかなと感じます。

魅力を感じない、と書きましたが、本当は「魅力を知らなかったのだ」と都内に出て思うようになりました。それは伝統工芸品に関わるようになったことで、気づいたのもあります。

伝統工芸品の価値を高めることは、地方の魅力を高めることにつながるはずです。地方の魅力を高めれば、その地方の都市、まちは自然と多くの人々であふれるはずです。

こんな可能性をもっている伝統工芸品は、目標11 [持続可能な都市]の解決につながると思います。

目標12番 つくる責任つかう責任 [持続可能な消費と生産]

持続可能な消費生産形態を確保する

伝統工芸品は地方の特色を生かしたもの作りです。自然由来のものを使用した商品が多いです。藍染め、和紙、焼き物など全てその地方の素材を生かして出来上がってきたものです。

化学物質の廃棄や大気、水、土壌などの悪影響の削減が12番の小目標として掲げられていますが、その目標を解決する為に伝統工芸品の物づくりはとても良い例かと思います。

伝統工芸品を探す

和紙を例に挙げますと、弊社で協力していただいている福井県の越前和紙の職人さんは下記のような取り組みを行っています。

【越前和紙の場合ヨシを用いての和紙作製

水辺に多く生えている植物であるヨシは河川などの水中に含まれるリンや窒素を吸収して育ちます。リンや窒素は、水の富栄養化の要因であり、これを吸収するヨシは水質を浄化する作用があります。ヨシは多年草の植物で、一年周期で咲いて枯れてを繰り返します。

ヨシは刈り取りやヨシ焼きを行わなければ、その数は減少していきます。
ヨシを紙として使用することで、ヨシの立ち枯れによる河川の流入を防ぐことができます。
また、ヨシを紙に使用することによって、紙に使われる木の伐採も減らすことも出来ます。

このように地域の植物の特色と、和紙という地域のものづくりが連携することで、必要以上の資源を利用することなく、生産ができ、また自然にも優しい循環を作り上げていくことができるのです。

https://www.yamada-keitei.com/business/yoshi/から一部抜粋

越前和紙ヨシ紙メモパッド

この他にも伝統工芸品は様々な面でつくる責任という面から12番の目標を支えてくれる要因になります。

以上3つの目標という面から伝統工芸品に関して私の考えを書かせていただきました。

今回は伝統工芸品全体での視点でSDGsとの関連性を書かせていただきましたが、一つ一つの工芸品に集中してみるとより多くの目標と関わってくるはずです。では、越前和紙にフォーカスして考えてみましょう。

越前和紙にみるSDGs

越前和紙から見ますと、6番や14番、15番にも関わってくる取り組みになると思います。

目標6番 安全な水とトイレを世界中に [水・衛生]

すべての人々の水と衛生の利用可能性と 持続可能な管理を確保する

目標14番 海の豊かさを守ろう [海洋資源]

持続可能な開発のために、海洋・海洋資源を 保全し、持続可能な形で利用する

目標15 陸の豊かさも守ろう [陸上資源]

陸域生態系の保護、回復、持続可能な利 用の推進、持続可能な森林の経営、砂漠化への対処ならびに土地の劣化の阻止・ 回復及び生物多様性の損失を阻止する。

地方に根付くもの作りこそ、いま改めて見返すべき重要な要素だと少しでもわかってもらえたら幸いです。

越前和紙の商品はこちら

SDGs×伝統工芸品

SDGsを通して振り返ることで、日本製の商品の良さに立ち返るきっかけに繋がればいいなと感じます!

今回のコラムを通じて少しでも興味をもっていただけたら幸いです。
では、また次回のコラムでお会いしましょう。