コラム

人生の節目のお祝い事|込められた意味と、贈り物の考え方

2026.04.08

こんにちは。
これいい和です。

今回は、日本に古くから受け継がれてきた「祝い事」と、その節目に込められた意味についてご紹介します。

日本には、人生のさまざまな場面でお祝いをする文化があります。
生まれる前の安産祈願から、子どもの成長、成人、そして長寿のお祝いまで、人生の節目ごとに願いや祈りが込められてきました。

こうした祝い事を知ると、
「なぜこのタイミングで祝うのか」
「なぜ贈り物をするのか」
という背景も、少しずつ見えてきます。

大切な人を想う気持ちや、無事を願う心。
今回は、そんな日本のお祝い文化をたどっていきます。

もくじ
1 お祝いは、生まれる前から始まっている
2 生まれてからすぐに迎える大切な節目
3 子どもの成長を祝う行事
4 大人になることを祝う
5 厄年や長寿も“節目”として祝う
6 祝い事には、なぜ贈り物があるのか
7 記念品は、節目を形に残すもの
8 おわりに
9 関連リンク

1 お祝いは、生まれる前から始まっている

日本では、人の一生に関わるお祝いは、生まれる前から始まります。

帯祝い(着帯祝い)

お母さんの胎内に命が宿り、妊娠も安定する5カ月目の戌(いぬ)の日に行われるのが「帯祝い」です。安産を願い、腹帯を巻くこの風習には、犬が多産でお産が軽いことにあやかる意味が込められています。

帯祝いに使う帯を「岩田帯」と呼びます。母体の冷えを防ぐこともでき、かつ、母親としての自覚を促す意味も込められていたようです。

2 生まれてからすぐに迎える大切な節目

赤ちゃんが生まれると、その成長を願う祝い事が続きます。

2-1.お七夜

赤ちゃんが生まれて7日目に行うのが「お七夜」です。
命名を行い、誕生を祝い、無事にこの日を迎えられたことに感謝する節目です。
半紙などに命名した名前と生年月日を書き、神棚や床の間の柱に貼って、赤ちゃんの前途の幸せを祝います。

元々は、平安貴族の間で子どもが生まれた日を(初夜)、3日目を(三夜)、5日目を(五夜)、7日目を(七夜)、9日目を(九夜)といって、奇数日に出産を祝う「産立ち(うぶだち)の祝い」という行事がありました。それが江戸時代になって「七夜」だけが残り、その行事が庶民の間にも広まったようです。

昔は、今よりも新生児が無事に育つことが当たり前ではなかったため、7日目を迎えること自体が大きな喜びでした。

2-2.初宮参り(お宮参り)

赤ちゃんが生まれてから30日目から33日目(男の子は31・32日目、女の子は32・33日目)までの間に氏神へお参りするのが「初宮参り」です。赤ちゃんを授かったことへの感謝と、これからの健やかな成長を祈ります。

30日から33日目とされているのは、この頃になって産婦の「産の忌」が明けるためで、それまでは氏神との対面が許されていないからとされています。かつては「出産は汚れたもの」として、産婦は忌み明けまではさまざまな行動を制限されていた時代がありました。そういった背景や、産後でお母さんの体の負担が大きい時期であることから夫の母であるお姑さんが赤ちゃんを抱いて初宮参りを行っていました。

2-3.お食い初め

生まれてから100日目前後に行われるのが「お食い初め」です。

赤ちゃんに初めて大人並みの本膳をそろえ、食事のまねごとをさせることで、子供が生涯食べ物に困らないこと、健やかに育つことを願う、お祝いの儀式です。

3 子どもの成長を祝う行事

子どもの成長を節目ごとに祝う文化も、日本には深く根づいています。

3-1.初節句

生まれて初めて迎える節句を祝うのが「初節句」です。
家族でお祝い善を囲んで、赤ちゃんの成長を祝い、今後の健康を祈る行事です。

・女の子は桃の節句(3月3日)
・男の子は端午の節句(5月5日)
にお祝いします。

3月3日は桃の季節であり、桃には邪気を払う力があるといわれていたことから「桃の節句」とも呼ばれています。

端午というのは、もとは月の端(はじめ)の午(うま)の日という意味で、5月に限ったものではありませんでした。しかし、午(ご)と五(ご)の音が同じなので、毎月5日を指すようになり、やがて5月5日のことになったとも伝えられます。

3-2.七五三

11月15日前後に行われる子どもの成長祝いです。

数え年で、
・男の子は5歳(地方によっては3歳も)
・女の子は3歳と7歳
に、お祝いをします。七・五・三はいずれも陽数で、縁起の良い数字とされています。

晴れ着を着て神社・氏神に参拝して、その年まで無事成長したことを感謝し、これから将来の幸福と長寿をお祈りする行事です。

日本では古くから「子どもは7歳まで神の子」といわれてきました。人としての魂が定着するといわれるその年頃まで、神様が特別に見守ってくださると考えたのです。

七五三は、平安時代~江戸時代の儀式がもととなっています。
・3歳:髪を伸ばし始める「髪置きの儀(かみおきのぎ)」
・5~7歳:初めて袴を身につける「袴着の儀(はかまぎのぎ)」「着袴の儀(ちゃっこのぎ)」
・鎌倉時代に行われていた、着物の帯を結ぶ「帯解の儀(おびときのぎ)」

これらの儀式が時代の流れに伴って一般にも広まり、明治時代にはこれらの3つの儀式をまとめて「七五三」と呼ぶようになりました。

4 大人になることを祝う

成人式

成人式は、社会の一員として新たな門出を迎える節目です。

戦前は、労働的な試験などがあり合格することで成人と認められていました。
元々は男子が12~16歳頃に初めて冠をかぶり髪形や衣服を改める元服の儀式「加冠の儀(かかんのぎ)」からきています。女性は、長い髪を初めて結い上げる「髪上げの儀」などが大人になった証しとして重要な儀式とされていました。

現代の成人式もまた、
「これから自分の人生をどう歩んでいくか」を考える大切な機会と言えるかもしれません。

5 厄年や長寿も“節目”として祝う

祝い事というと、明るく華やかなものだけを想像しがちですが、
日本では「慎むべき年」や「長く生きること」も、大切な節目として考えてきました。

5-1.厄落とし

厄年は、普段以上に慎ましく過ごすべき年とされてきました。
その厄を祓うために行うのが「厄落とし」です。

厄落としとは、厄を払うために行われる行事を指します。
もともとは、普段から身につけているものや大切にしているものを故意に落とすことを意味していましたが、現在では厄払いの行事として用いられることがほとんどです。

一般に、数え年で男性が、25歳、42歳、61歳が厄年と言われています。
女性は、19歳、33歳、37歳と言われており、前後の一年を前厄、後厄と言います。
特に、男性の42歳、女性の33歳は大厄と言われています。

不安をただ恐れるのではなく、節目として意識し、丁寧に向き合う。
そこにも、日本人らしい考え方が表れています。

5-2.長寿祝い

長寿のお祝いは、年齢ごとに名前と意味があります。
ただ年齢を重ねたことを祝うだけでなく、「ここまで元気に生きてきてくれたこと」への感謝が込められています。

① 還暦 61歳(満60歳)

生まれた年の干支に還ることから、「還暦」と呼ばれるようになりました。赤色が長寿祝いの色とされています。

赤いちゃんちゃんこを贈ったり、着たりするのには、大きく2つの理由があります。
1つは、還暦は60年で生まれた干支に還るため、赤ちゃんにもどるという意味があります。
2つ目は、男の厄年が還暦の年にもあたる事から、昔からから赤い物は 縁起が良く、魔除けなどの効果があるとされていたため、魔除けや厄除けとしての意味があります。

② 古希 70歳

中国の唐の詩人である杜甫の詩の一節「人生七十古来稀なり」に由来しています。
現代では還暦よりも本格的な長寿の祝いと考えられているようです。紫が長寿祝いの色とされています。

③ 喜寿 77歳

「喜」という字の草書体が七を3つ重ねた形になり、七十七と読めることに由来しています。紫が長寿祝いの色とされています。

④ 傘寿 80歳

「傘」の略字が八と十を重ねた形になり、八十と読めることに由来しています。黄(金茶)が長寿祝いの色とされています。

⑤ 米寿 88歳

「米」の字をくずすと八十八と読めることに由来しています。黄(金茶)が長寿祝いの色とされています。

⑥ 卒寿 90歳

「卒」の略字である「卆」が九十と読めることに由来しています。白が長寿祝いの色とされています。

⑦ 白寿 99歳

百から一を引くと「白」となることに由来しています。白が長寿祝いの色とされています。

⑧ 百寿または紀寿 100歳

100年が一世紀ということから紀寿、また100歳であることから百寿と呼ばれています。白が長寿祝いの色とされています。

6 祝い事には、なぜ贈り物があるのか

ここまで見てくると、日本のお祝い事は単なるイベントではなく、人生の節目ごとに「願い」や「感謝」を表す文化だとわかります。

その中で贈り物は、
・無事を願う気持ち
・成長を喜ぶ気持ち
・これからの幸せを祈る気持ち
を形にする役割を持っています。

つまり、贈り物はモノそのもの以上に、「想いを届けるための手段」でもあるのです。

7 記念品は、節目を形に残すもの

人生の節目は、その日が過ぎれば終わり、ではありません。
ふとしたときに思い出せるように、節目を形として残すことにも意味があります。

・長く使えるもの
・背景や意味があるもの
・贈る相手に合わせて選ばれたもの

そうした記念品は、単なる贈答品ではなく、その節目を思い出すきっかけになっていきます。

8 おわりに

今回は、日本の祝い事についてご紹介しました。

帯祝いから長寿祝いまで、日本には人生のさまざまな場面を大切にする文化があります。
ひとつひとつの行事を見ていくと、そこにはいつも
・無事を願う心
・成長を喜ぶ心
・幸せを祈る心
がありました。

お祝い事を知ることは、日本の文化や価値観を知ることでもあります。
そして、その節目に贈る記念品もまた、大切な気持ちをそっと形にする存在なのだと思います。

人生の節目や企業の節目に、どんな想いを込めて贈るのか。
そのヒントとして、少しでも参考になれば嬉しいです。


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