コラム

山中漆器の魅力とは|職人の道具から見る“木地づくり日本一”の技術

2026.03.27

こんにちは。
これいい和です。

今回は、
石川県の伝統工芸品「山中漆器」の木地づくりと、職人の道具の魅力についてお伝えします。

山中漆器は「木地の山中」と称されるほど、木地づくりの技術に優れた産地です。
実際に現地を訪れ、職人の作業や道具に触れることで、その奥深さを体感することができました。

もくじ
1 山中漆器とは|450年続くものづくり
2 山中漆器は分業で成り立つ
3 「木地づくり日本一」と言われる理由
4 山中漆器「木地挽き」の道具
5 実際に見て感じたこと
6 道具と技術が生み出す価値
7 伝統と進化を続ける山中漆器
8 ものづくりの背景を知るという価値
9 関連リンク

1 山中漆器とは|450年続くものづくり

山中漆器は、石川県加賀市を中心に発展してきた伝統工芸品です。

・漆の艶やかさ
・蒔絵の美しさ
・木地の精度の高さ
といった特徴を持ち、約450年の歴史があります。

また、漆の艶やかさと蒔絵の美しさで一目で「記念品」と分かる高級感のある商品から、木の木目から温かみを感じられるような素朴で普段使いしやすい器まで、多くの技術を駆使して幅のある物作りを展開されているのが山中漆器の魅力です。

これいい和でも企業様の周年記念品、外国の方への贈り物等、年代や国を超えて、とてもお客様からの人気が高い商品です。

2 山中漆器は分業で成り立つ

山中漆器は、複数の工程を職人が分担して作られています。

・木地
・下絵
・塗り
・蒔絵

それぞれの専門職人が技術を発揮し、一つの器が完成します。
中でも特に評価が高いのが「木地づくり」です。

3 「木地づくり日本一」と言われる理由

山中漆器は木地づくりだけでも9つの工程があり、
・高い精度
・滑らかな仕上がり
・均一な厚み
に仕上がります。

乾燥期間だけでも最低80日間という長い時間を要し、丁寧な工程を積み重ねることで完成します。
すべてご紹介したいのですが、収まらなくなってしまうので、今回は「木地挽き」の道具に焦点を当てて、ご説明したいと思います。

4 山中漆器「木地挽き」の道具

4-1.木地挽きに欠かせない道具「ろくろ」

木地づくりでまず重要なのが「ろくろ」です。
「ろくろ」と聞くと、陶芸で使う回転する台をイメージした方もいるかもしれません。

山中漆器では「横座式」と呼ばれる、木を削るためのろくろを使用します。

・「治具」(固定する機械)と呼ばれる道具で、木材を横に固定する
・足のペダルで回転させる
・木材にかんなを当てて、回転しながら削る
という特徴があります。

全身を使う職人技

この削る作業では、
・足で回転を調整
・手で刃物を操作
と、全身を使って扱います。

回転数は1分間に約1,000回にもなり、スピードと繊細さの両方が求められる作業です。

4-2.形を作る「カンナ」という道具

木地づくりで欠かせないもう一つの道具が「カンナ」です。
一般的なカンナとは異なり、鉄の棒のような形状をした道具です。

基本だけでも6つの種類があり、
「ウラビキ」外側を削る
「エグリ」中を掻き出し、深さを掘る
「クリダシ」中を取る
「ヒラジャカ」凹凸をとるのに使う 
「マルジャカ」中の凹凸を取る
「丸鉋」(まるがんな)
といって、用途ごとに使い分けられます。

職人ごとに異なる道具

カンナは既製品だけではなく、
・体格
・手の感覚
・作業スタイル
に合わせて、自ら作ることもあります。

つまり道具もまた、職人の一部とも言える存在です。

4-3.作業を支える「カンナ台」

精密な作業を支えるために使われるのが「カンナ台」です。

・腕を安定させる
・姿勢を固定する
・精度を高める
といった役割があります。

少しでも角度がずれると、同じな厚みや模様にはなりません。体力と集中力、そして技術力が必要な中、同じ姿勢で長時間作業する職人にとって、欠かせない道具のひとつです。

5 実際に見て感じたこと

実際に挽く作業をしていただいたのですが、カンナの当てる角度とろくろの速さ、回転方向、本当に様々なことを考えて1つの物を作り上げていることに感動しました。

そして、個人的にはカンナで削った後に発生する木屑、回転に合わせてたくさんの木屑が作業場には広がっていましたが、これがとてもいい香りで、私は作業場がとても好きになりました。

6 道具と技術が生み出す価値

一つの物が作られている背景には、職人さんの1つ1つのこだわりと、技術、それを支える道具があって成り立っていることを、目で見ることでとても実感することができました。

実際に作業を拝見し、自分の仕事道具を大切に、愛着を持って接している様子を知ることができ、物を大切に扱うことの大切さや、このような方々に商品を作って頂いていることをとても誇りに感じました。

その証拠にどの道具を見ても、とても使い込まれていて、きっと長い間ご主人を支えてきたのだなぁ…ということが伺える佇まいをしていました。

こうして木地の工程を終えた器は、その次の工程の職人へ繋げていきます。

お客様の手に届くまで、まだまだたくさんの職人さんの手が加わっていくわけですが、少しでもその工程が伝わって下さっていると嬉しいです。

7 伝統と進化を続ける山中漆器

現在の山中漆器は、
・木製漆器
・近代漆器(樹脂・ウレタンなど)
といった形で、現代の生活に合わせた展開もされています。

戦後、昭和30年代くらいから合成樹脂(プラスチック)を主にウレタン塗装を施した手法で現代の生活に合った漆器も数多く生み出しています。

伝統を守りながら、新しい挑戦を続けている点も、山中漆器の魅力のひとつです。

8 ものづくりの背景を知るという価値

今回ご紹介したのは、山中漆器の「木地」の工程のほんの一部になります。

道具や工程を知ることで、
・作り手の想い
・技術の奥深さ
・ものの価値
をより深く理解することができます。

普段何気なく使っている器にも、長い歴史と人の手が積み重なっていることを感じられるのではないでしょうか。


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